絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~

ブラックベリィ

0202★虹色オオトカゲは美味しいらしい

 神護は、そんな埒も無いコトを考えながら、腕に抱いたままの白哉に改めて、たった今ほふった虹色オオトカゲを、抜いた剣先でツンツンしながら聞いてみた。

 「なぁ~…白哉、コイツは食べれると思うか?」

 神護からの質問に対して、そういう意味での知識をきちんと持っている白哉は、にこにこと笑って頷く。

 「はい 砂漠を走り回る 虹色オオトカゲは とても美味ですよ
  そして とても高く売れます」

 その言葉に、神護は感心する。

 ふむ、白夜には生きる為の本能として、食べ物についての記憶が
 ちゃんと継承されているんだな

 あの知識酔いした時に得た膨大な知識の中に、コイツ虹色オオトカゲに関する
 情報は無かったからな………

 ふむ、俺には無いこちらの生き物についての知識を持っている
 白哉の知識は助かるな………いや、マジで……助かるわ

 「そっか、そんじゃぁ~……コイツ虹色オオトカゲをさばいて
  たまには、干物にでもするか?

  どうせ、目の前は砂漠だから、そんなに手間掛からないだろう
  携帯食料にもなるだろうし、口寂しいときのお供に良さそうだし」

 神護のセリフに、白夜は嬉しそうに抱きつく。

 「さんせぇ~い 美味しい干し肉ぅ~ 虹色オオトカゲは
  とても美味しいんですよ 本当に ごくたまぁ~に
  ハンターがギルトに卸した 干し肉が市場に出るだけなんです」

 そのセリフで、飛翔族の皇子様だった白夜が、転生前に市民に紛れる生活をしていたことをうかがい知ることが出来た。

 なるほど、白夜は皇太子時代に、偶然市場に出ていたのを買って
 こっそりと食べたことがあったのか………

 嬉々としている白夜に、見えないお尻尾が出現してパタパタしている幻影を見た気がした神護は、クスッと柔らかく笑う。

 飛翔族という鳥系獣人?のはずの白夜だけど………なんか、こう
 ワンコ尻尾の幻影が見えるな……それもブンブンと尻尾を振る

 これは、さっさとさばいて、干し肉を作ってやるかな
 ぅん? あぁリオウも、ヨダレが零れているな
 クスクス………さっきまで、俺の後ろに隠れてプルプルしてたのに

 とりあえず、内臓を食べさせても大丈夫かな?
 いや、素人判断はマズイか…ここはやっぱり白夜に聞こう

 「そうか…そんじゃ~……今、コイツ虹色オオトカゲをさばいてやるな
  少し焼いたのも用意しようか?」

 神護の言葉に、白夜はコクコクする。

 「はい 父上の味付けしたモノも食べたいです」

 白夜のセリフに、神護は内心で首を傾げていた。

 たしか…白夜の転生前って…飛翔族の皇子様だったんだよなぁ?
 それも皇太子様らしかったけど………いったい、白夜は
 どんな食生活していたんだぁ? こういうモノを喜ぶなんて?






コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品