絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~

ブラックベリィ

0187★白夜の弟は、支配呪術で捕まっているらしい

 特に印象的なのが、紅蓮の炎が燃え盛るような紅く長い髪と、同色の翼を持った姿だった。

 そして、その紅き飛翔族の青年の身体には、まるで墨で描いたかのような紋様があった。
 その紋様は、神護の瞳に、酷くよどんだモノとして映った。
 それこそ物質的なけがれを具象化したようなモノとして………。

 勿論、白夜の瞳にも、それは映った。
 ソレを眼にした白夜は、神護の腕の中で力なく崩れ落ち、うなだれる。

 「グレン やはり…あの時……捕縛される姿を……おぞましい…
  羽虱はじらみを放たれ《魔力》が強い髪や翼にたかられる姿を
  見たのは見間違いではなかったか…………

  嗚呼…グ…レン…忌まわしい呪縛の…《鎖紋呪さもんじゅ》の刻印が……くっ…

  同じ飛翔族でありながら…私達…飛翔族全てを…
  黒き河の国王ジャアハード・ムハーリ・ハーリィアに…売った裏切り者の 茶羽根一族ちゃばねいちぞくが 憎い……
  うぅぅ この怨む気持ちが…止められない……

  あやつらは…茶羽根一族ちゃばねいちぞくは 己が欲望に溺れて
  女神サー・ラーフロリアン様の慈愛を裏切った……

  嗚呼…私の…愛しい弟が グレンの翼が けがされた
  私の《力》が足らぬばかりに……」

 悔恨が滲む白夜の言葉に、神護は小首を傾げる。

 「白夜…その…さもんじゅ? って何だ?」

 理解わからないことは聞いた方が良いと判断し、神護はそう問い掛ける。
 その神護からの何気ない問い掛けに、ズブズブと暗黒の深淵に沈み込むような真っ暗な気持ちが、ふわりっと抱き上げられた。

 〔…っ……グレンが…捕縛されただろうことは…
  既に…わかっていたことなのに…動揺してしまった

  ……じゃなくて…ここは 父上の質問に答えなければ
  私には 私を守ってくれる【守護者】たる父上がいるのだ

  捕まってしまった グレンの話しをしておけば
  父上なら 私が思いつかないような
  何か妙案を考え付いてくれるかもしれない…〕

 ハッとした白夜は、神護を見上げて言う。
 
 「あぁ…父上 すみません…取り乱してしまいました
  《鎖紋呪さもんじゅ》とは見ての通り グレンの身体に……

  あぁ…彼は グレンは 直ぐ下の弟で 飛翔族の第二皇子です
  名を ラー・セイ・グレン といいます

  では 父上が聞いた《鎖紋呪さもんじゅ》の説明に戻りますね

  《鎖紋呪さもんじゅ》とは 見ての通り 身体に施される
  支配呪術の1つで あの黒い鎖が 全ての能力を封じます

  当然 全ての魔術は使えませんし 翼で飛ぶことも出来ません」

 神護は白夜から《鎖紋呪さもんじゅ》を含む支配呪術の長い長い説明を聞いた。








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