絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~
0181★どこにでも居るよね、ハンターくずれって
そう、確かに、敵キャラさん達からは一見無防備に見える姿だが、最高の防御状態のままだったりするのだ。
う~ん…この様子だと…俺達を襲ってくるのは、普通の…盗賊かな?
気配的に…相手方には、魔法とかを使えそうなの…うん…居ないな
普通の盗賊?ハンター?まっ…実害はなさそうだけど……さて……
神護が相手の出方を見ていると、ワラワラと6人ほどが現われ、囲むようにして武器を向けて来る。
その手にしている武器は、弓にヤリに剣というところだった。
神護は、妙に、こずるそうな顔つきのイタチとネズミの合いの子のような男を見てゲンナリする。
いくら俺がモフ好きで……獣人ラブでも……流石に、ないわ……
マジきしょいわ……だぁぁ…可愛さがカケラもねぇ~……はぁ~…
せっかく、獣人がいっぱい居る世界に転移?したのになぁ~………
本気で…言わせてもらうけど……ないわぁ~マジで……
そんな内心を綺麗に隠し、神護はそしらぬ顔でチラリと自分達を囲む者達の容姿を確認する。
え~とぉ…こいつら、なんて表現したらイイかなぁ?
キツネとネズミの合いの子モドキに、カエル面に近いタヌキかな?
ブサイクだな……うん…尻尾がそうだから…やっぱ…タヌキだ
でもって、ブルドックもどきに……これは、ブタもどきかな?
あっちじゃ、キツネもタヌキも、ブルドックやブタだって
愛嬌のある容姿なのになぁ~……なんで、こうもブサイクばかり
せっかく、獣人が居るファンタジー世界なのに全然楽しくないっ
でもって、あとのは、猿人もどきかよ……はぁ~……
俺、猿の類いって大っ嫌いなんだよなぁ作物や果樹園を荒らすから
あげくは、俺のリオウを狙うなんて………
いや、手酷い撃退よりも、無視してやろう
こういう輩って、それが1番嫌がるんだよなぁ………くすくす
神護がそんな感想を持っている時、弓を手にする猿系獣人の男は、リオウを見て舌舐めずりしていた。
はっきり言って、気色悪いことこの上なかった。
神護は知らなかったが、リオウの種族ヒリュオンの毛皮は高価で取り引きされているのだ。
何故なら、ヒリュオンを狩るのは、大変な危険が伴なう為、相応の実力がなければ、返り討ちにあうからだ。
また、子供は基本的に親といる為、子供の毛皮など、それこそ滅多なことがなければ手に入れられない代物なのだ。
ヒリュオンの毛皮自体とても手に入れるのが困難な為、また、その希少性と王侯貴族が好むため、とんでもない金額で取り引きされていたりする。
まして、子供のヒリュオンの毛皮とくれば、彼らが贅沢しなければ一生遊んで暮らせるだけの大金を払う王侯貴族はいくらでもいるのだから………。
その大金の元が、目の前で親の庇護も無しにいるのだ。
もう1人の猿系獣人の男が、気色悪い声で神護に話し掛ける。
「げへへへへ………あんちゃんよぉ~……そのヒリュオンの子供
大人しく俺達に渡せよ、俺達が有効活用してやっかよぉ~………」
ふ~ん…どうやら…この醜い猿男が…頭かな?
…いやぁ~………見た目通りの気色悪い声と性格だな、マジで
盗賊?の頭らしい男の言葉に、眉ひそめた神護は、こんな者達と会話するのはバカらしいと、そのまま無視を決め込んで、止めていた足を再びゆっくりと進めだす。
防護用に《小結界》を張っているので、わざわざ相手をしてやる気は無かった。
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