絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~
0178★白夜にネズミーランド特製のキッズ用ヒールを出してやろう
神護が考えている間に、リオウが白夜の手を舐めて《ショウ》をくれとねだる。
ヘタを取って口を開けたので、独特の良い匂いがしていたらしい。
〔これから《ショウ》を採取するんですし
ヘタを開けたモノは邪魔になりますからね
リオウに飲ませてあげましょう〕
白夜は、リオウの求めるまま、口を開けてちょうだいをするその口に《ショウ》をタラタラと入れてやる。
エヘラッと笑って、リオウは嬉しそうにベロベロする。
リオウが《ショウ》を飲み終わった頃に、神護は頷いて言う。
「へぇ~…なるほどな…そうやって価格暴落したのか……
街に行けばあるなら、ある程度の量を採取すれば良いな……」
そう言った神護に、誕生してからほとんど待っていることしか出来なかった白夜は、地面を見ながら思う。
〔ここなら 素足で歩いても大丈夫そうだし
ただ父上に降ろされた場所で 待っているのは退屈です
私も《ショウ》の採取したいし 歩き回って 何かを見付けたい〕
「父上 だったら白夜も採取を手伝います
ここなら 素足でも大丈夫そうですし……」
退屈していましたという言外の単語に、神護は苦笑いをする。
くすくす………言うと思ったよ
そろそろ、抱き上げられて移動しているか
おれが降ろした場所で待機するかだから、退屈んなったんだろう
つーと…やっぱり、アレを出してやるしかないかな?
ネズミーランド特製の衣装一式に付属していた、キッズ用ヒール
大人の女性用のモノよりは太いけど、かかとの支えが細いから
ちょっと出すの躊躇っていたんだよなぁ………
でも、素足で歩かれるよはマシだよな、それに靴下が無いから
長時間は無理だけど、その辺を歩くのには支障ないだろう
「そうだな…んじゃヒールをだしてやる
もとが女の子用で、かかとが細く高いからな
履かせるのどうしようか迷って、出さなかったんだがな
サイズが合うと良いんだが………」
そう言って、神護は腕輪に手を翳して、キッズ用のヒールを取り出す。
「コレだ」
ソレを見た瞬間、白夜はリオウに《ショウ》の中身の果汁を飲ませた、空の実とヘタをポイッとして、ヒールに手を伸ばす。
嬉しそうな白夜に、神護は出したヒールを手渡した。
手渡された白夜は、公式の行事の時にはいていたモノに近い、いかにも女の子が喜びそうな可愛い装飾が施されているヒールを、躊躇わずに履く。
「大丈夫そうです 父上 思ったより 履き心地は柔らかいですし
かかとが高くて細いのは心許ないですが それ以外は大丈夫です」
履物を履いて嬉しそうにする白夜を、神護はゆっくりと地上に降ろして言う。
「あまりはしゃぎまわって転ぶなよ
履き慣れたモノじゃないんだからな」
神護の注意に頷きながら、白夜は軽く歩いてみる。
「はい 父上 うん 悪くないですね」
こだわりの無い白夜に、神護は肩を竦める。
「んじゃあの礫砂漠を越えるのに必要な分の《ショウ》を採取するか」
「はい 父上」
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