絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~

ブラックベリィ

0160★陽が落ちても走り続けます


 神護は、腕の中でゴソゴソと動いていた白夜が動きを止め、胸の部分の服を掴んだのを確認する。

 昼間は気にしなかったが、陽が落ちたことで、少し気温が下がった気がするので、自分のマントで、腕に抱えた白夜をクイッと包むように被せる。

 もちろん、自分の行動歩いたり走ったりで、被せたマントが外れないように、白夜を乗せた左手でマントの端を掴んで、再び小川の側をくだり始めた。

 白夜は、最初のうちこそ、周辺を確認するように、きょろきょろしていたが、あまり代わり映えしない光景と、飲まされた生姜湯の効果?で、うつらうつらし始める。

 もちろん、神護が一定の速度で軽く走っているセイもあった。
 そう、電車やバスの効果と一緒で、一定の振動は、眠気を誘うのだ。

 神護は、腕の中の白夜がクウクウと幸せそうに眠ったのを確認し、フッと微かに笑みを浮かべて、走る速度を更に上げる。

 夜の小川の側には、夜行性動物が出現する確率が高いので、一応は警戒しながら、ひたすら小川をくだって行く。

 時折、直ぐ側でガサガサという音はするが、何かが襲って来るということは無かった。
 小川に水を飲みに来た動物が、走る神護に驚いて立てているモノのようだった。

 思ったよりも、夜の樹海もどきは静かだな
 もっと、動物の声や姿があると思っていたんだが
 なんにしても、たったと平地へと辿り着かないと

 さて、この【竜ケ峰りゅうがみね】の樹海もどきが切れた先に
 どんなモノが有るのかな? 草原なのか? 砂漠なのか?
 はたまた まばらな森林か?

 日本の田舎みたいな田園風景は………たぶん……ないな

 1番ありそうなのは…荒涼とした礫砂漠れきさばくかな?

 とにかく、この樹海もどきから出ないとな

 白夜の仲間も探してやりたいし………いや、その前に
 馬車とか欲しいかもな………馬で旅するのって楽しそうだし

 ………って、こっちに馬って居るのかな?
 いや、馬もどきでもイイけど………

 なんか、俺って全然こっち基本的な知識がないわ
 魔法や魔術とか知識に《魔力》は譲渡されたけど

 一般常識が無いんですけどぉ……って皇太子の記憶じゃ無理か

 いや、お金や換金可能な宝石に、装飾品もけっこう布袋に
 入っていたけど………肝心なモノがかなり無いよなぁ………
 1番必要だろうっていう 食料も着替えも無いもんなぁ………

 とにかく、まずは、馬車みたいなモンを使えるような
 道路がある場所へ出ないとな

 出来るだけ早く、香辛料の類いも欲しいし
 異世界に来たからって、貧しい食生活なんてのはゴメンだ

 俺はどこにいようとも、日本で暮らしていた程度
 快適な生活がしたいからな

 いくら便利な魔法や魔術があろうと、安心して休めるような
 基本的な住居になるようなモノがないと、生活がきついぜ

 そんなコトを考えながら、神護は小川をくだり続けた。



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