絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~

ブラックベリィ

0151★閑話 神護の存在が消えた・その時、竜治とギンは………

 神護が、異世界に渡って少しした頃。


 僕の肩に乗ったまま、周囲を興味津々できょろきょろと見ていたギンが、突然飛び跳ねて騒ぎ出す。

 「竜治はん…竜治はん…今…たった…今…神護はんの……
  存在…そのものが……プツンっと消えはったでぇ~……」

 少し口調のセイが気の抜けた雰囲気に感じだが、言っている内容はとんでも無かった。
 が、ここで竜治は慌てず騒がず、まず、妖狐族のギンに向かって言う。

 「ギン、キミの言いたいコトは、一応理解しているけど
  そのなんちゃって京都弁?風な話し言葉、キツイんだよね
  ギンの言葉、標準語にならないかな?」

 竜治の言葉に、ギンはちょっと困ったような表情で言う。

 「困ったわなぁ~…ボぉ~クぅ~……こない…口調が……
  標準なんやけどぉ~なぁ~…竜治はんが…ボぉ~クぅ~に

  …血をくれはったら…それを取り込んで、標準語?
  なんとかできはるとは……思いますやろけどぉ………」

 僕の血が必要なのか?ギンが嘘をついてるようには見えない
 神護の気配が、この世界から消えたって言うなら………
 この後、電話をかけて、確認してみなきゃ………

 とりあえず、僕の血で話し言葉が標準語になるなら
 それを最優先にしよう

 互いの言語が違うと、ギンとは種族も常識も違うから
 ニュアンスとかの意味が変わってしまうコトもあるからね
 とにかく、正確な意思疎通の為に………どのぐらい必要なのかな?

 「わかった、それれで、僕の血はどのぐらい必要なの?」

 「どぐらい?……かは 実は わからへんのやぁ?
  手首咬ましてもろてええやろか? 飲んでみぃひんと
  必要量がわからへんのや」

 ギンの言葉に、竜治は嘆息して即答する。

 「いいよ、でも貧血になるほどは勘弁してくれよ」

 「ほんま おおきに それじゃ………」

 と言って、肩から腕へとトテトテっと走り降りて、手首を握ってカプッと噛み付いた。


 


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