絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~

ブラックベリィ

0134★白夜の異変1 最初の兆候《ちょうこう》

 俺は、ビャクヤと聞いて、直ぐに幾つモノ名前を考えた
 また、もしもの話しだが………

 【名盗り】の魔術を使う相手が、こちら側の思考を
 読める者だったらも、想定して………

 白夜に語らない、ビャクヤの名前も、俺が勝手に付けた
 ちなみに、俺の思考を全部読むのは、まず無理だろう

 なんせ、まだ、ちょっとあの譲渡時の膨大な情報量は
 整理されていないだから………

 要するに、俺の思考を無理して読もうとしたら………
 未整理な情報が満載なので、その相手が頭痛や眩暈を食らうだろう

 思考っていうモノは知識と連動しているモノだから………
 そこに感情なんてモンまで加わったら
 流石に、どんな優れた魔術者でも、読み取るのは無理だろう

 なんせ、知識だけでも………俺自身の異世界の知識に
 飛翔族の皇太子の知識と飛竜のホタルの知識

 こんだけあると、まず人間には無理だろうな
 当然、こちらの世界の獣人でも無理だろう

 たとえ神様でも、ちょっと無理じゃねぇ~かな?
 俺ってば、異世界人だから、基本概念も思考も違うだろうし………

 それに………まだ、全然情報が未整理だし………

 じゃない、思考を少し戻さないと………

 とにかく、まずは白夜の話しかな?

 白夜は、禁断の【転生術】なるモノを行ったと言ってた
 そして、翼が無いから転生に失敗したと嘆いていた

 白夜は、卵から孵ったセイで、初めて見た者を親とする
 習性があるようだ

 翼は無くても、そういう鳥属性的な習性は残るらしい
 やっぱり、白夜は大鳥の一種なんだろうか?
 飛翔族という種族名らしいし

 まぁ…それはさておき…とりあえず、痛みは無いようだが………
 身体の要所要所にある、赤い痣も気になるな

 あの赤い痣が、ただの翼の名残りだけなら良いけど………
 いや、翼を失くした白夜てきには………
 精神的に、つらいだけかもしれないが………

 もしも、成長して、あそこ赤い痣から羽化するなら………
 たぶんだが………肉体的な苦痛を、かなり伴なう可能性がある

 だって、気になって………さりげなく白夜の背中の痣を触った時
 微かに、皮下にシコリみたいな………妙な感触を感じたから……

 あまり触ると気にするだろうと思って、言わなかったけど
 手首の痣にも、微かなシコリのようなモノを感じた

 そんなことを考えながら歩き続けた神護も、流石になんとなく疲れを感じた頃。
 白夜は、自分の身体に違和感を感じ始めていた。

 〔なんだろう? 背中が なんかモゾモゾする………
  疼くような かゆいような ………っ…………〕

 それは、唐突に白夜に訪れた。
 
 「……っ……くっ…………」

 神護は、腕の中の白夜が身体をビクンッと震わせて、痛みを噛み殺すような小さな声に気付いた。

 「白夜っ」

 神護の慌てる声を聞いても、唐突に襲って来た背中の痛みに、応えることは出来なかった。

 そして、神護はそれが何を意味するか瞬時に悟り、慌てて周囲を見回して、白夜を下ろせる場所を見付け、ソッと腕の中から上部が平らな岩の上に降ろしたのだった。







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