絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~

ブラックベリィ

0085★現世での神護の日常3 自室にて最近のコトを考察1


 弟妹と一緒に朝食を食べた神護は、2階の自室で出かける為の服装を選んでいた。

 「とりあえず、動きやすいのは…
  この辺かな?」

 はぁ~……出かけるための着替えは
 竜治が来てからでいいや……

 ベットに出掛ける為の着替えを投げた神護は、ベットを背に床に座り込む。
 勿論、手触りの良いジュータンが敷いてあるので、座っても冷たくないし痛くない。

 わりと地厚でしっかりとした手触りの、このジュータンは、神護がお小遣いを貯めて買ったモノだった。
 神護は、ジュータンに座り、ベットに寄りかかりながら、ここ最近のことを回想してみた。

 俺、真城ましろ 神護しんご
 今、現在、ひじょーに困っている

 始まりは絶対に、修学旅行で伊勢神宮を
 参拝した時に感じたアレだ

 妙なモンにまとわりかれたような感触

 もしかしたら、アレは、夢?に出て来た
 飛翔族の祈願成就の《力》によるモノだったのかも

 ホタルから聞いた話しから推察するに……
 その《力》で、俺は何度も何度も
 異世界に呼ばれていたらしい………

 記憶があるのと無いのをあわせて
 軽く7日ぐらいかな?
 たぶん、それぐらいは行ってるはず

 俺が思うに、急にこっちの日常の世界から………
 異世界へポンッと俺を移植したら
 衰弱しちまうからとか……

 まっ……実際はわからないけど………

 飛翔族の未来卵から孵る子たくす為に
 俺は、どうやら、飛翔族の皇太子?に選ばれた

 いや、アレはきっと飛翔族の総意だろうな

 飛翔族の子の【守護者】という者に
 選ばれてしまったらしい

 最初に卵を手渡された時は
 烏骨鶏うこっけいの初玉ぐらいで
 とても小さい卵だった

 それが、今は、ダチョウの卵の大きさを
 軽く越えている

 そう、もう少しで、ホタル飛竜
 卵ぐらいの大きさになる

 ちなみに、ホタルは、珍しい翼タイプの飛竜だ
 とは言っても、今は〈ドラゴン・ソウル〉だが

 じゃなくって…………

 卵を手渡されてしばらくは
 誰に卵を手渡されたか
 マジでわからなかったんだよなぁ

 いや、今も正確な容姿とかは
 思い出せないけど

 なぜなら、飛翔族の卵と一緒に
 異世界の知識と《力》を
 濃縮状態で詰め込まれたからだ………

 様々な知識や《力》を与えられた時
 知識&力酔いになってしまった

 ソレは、頭と言わず身体と言わず
 魂魄にすら、何の抵抗も無くすぅーっと
 極自然に染み込んで来た

 そしたら、卵を守る為に必要な
 攻撃系の呪文や自分の身を癒す為の
 治癒系の呪文が、乱舞した

 実際、俺には、その様々な
 退魔・破魔・治癒etc.の呪文が

 俺の身体の廻りで乱舞しながら
 この身に浸透するのが見えた

 もちろん、そこで生きる為に必要な
 知識も入っていた

 「実際に、眼に映っていたのか?
  脳に直接、呪文という名の情報が
  きざまれたのか?

  それはわからないけど、確かに俺は
  その知識を受け取ったんだよな」

 神護は、自分の中に確かにある呪文と《魔力》というモノを感じて、ちょっと嘆息する。







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