絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~

ブラックベリィ

0075★アンデット飛竜は語る1 不思議な卵を見たがる



 アッデット飛竜は、神護が眩暈めまいを起こしていることに気づき、気遣わしげに問い掛ける。

 『ドウシタ? 大丈夫カ? 少年ヨ』

 心配そうな言葉に、神護は苦笑いを浮かべてから答える。

 「ああ……大丈夫だ…
  ちょっとクラッとしただけだ

  この卵を受け取った時のことを
  考えるとなぁ………

  ぅん~と…たぶん《力》と知識酔い?
  とでも言えば良いのかな?

  まだ、脳内整理が
  きちんと出来てないみたいで

  まぁ………簡単に言うと…………

  そうだなぁ…情報や《力》という名前の
  ご馳走を限界いっぱいいっぱいまで
  食べちまったって感じかな?

  だから、今現在の俺は、食べすぎで
  消化不良を起こしているような状態に
  なっているらしいんだ

  そのセイで、その時の状況とかを
  無意識にでも、ちょっと考えたりすると

  頭痛や眩暈めまいを起こすんで………
  実は、かなり困ってるんだ

  あっ……じゃなくて…さっきの答えな

  この不思議な卵は…手渡されたんだ……

  状況は、ほとんど覚えてないけど…………
  たぶん、男で……なんか……

  そう…背中に翼があったような
  気がする………っ………くっ……」

 再び、意識をその時へ向けてしまい、神護はグラリッとした眩暈めまいと痛みに耐えられずにしゃがみこむ。

 神護の答えと、今の様子に、アンデット飛竜は、しばし考え込むように沈黙する。
 その間に、眩暈めまいから立ち直った神護に、アンデット飛竜は問い掛ける。

 『少年ガ 男カラ受ケ取ッタト言ウ
  不思議ナ卵 我ニ見セテクレヌカ?』

 「……えっ?」

 困惑する神護に、アンデット飛竜は言葉を重ねる。

 『不思議ナ卵ノ正体ニ ヒトツバカリ
  思イ当タルモノガアルノデナ
  直接 ソノ卵ヲ見レバ判ル 見タイ』

 「………あぁ……いいぜ……
  でも、食べたりしないでくれよ
  一応、大切な預かりモノなんだからさ」

 神護は頷き、首にかけていた紐を引っ張って、巾着を取り出す。
 内側がフコフコの巾着の口を大きく開いて、中の卵をそっと取り出し、卵本体を見せる。

 あれ? また、大きくなってる
 もう2L玉ぐらいじゃん

 神護の心情を他所に、アンデット飛竜は、その手の中の卵をよく見ようと、更にズイッと顔を寄せる。

 うっ……近い…近いって……
 流石に、巨大な飛竜だよなぁ~………
 骨ンなっても、めっちゃ迫力あるなぁ…

 などと、場違いな感想を考えている神護の前で、アンデット飛竜は、突然、ボロボロと涙を流した。

 『オォ……コレハ……ヤハリ
  ダガ ナゼ? 一族ノ外ノ者ガ……
  イヤ 手渡シタ?』

 「ああ、他に剣とか装飾品とか
  大きな袋が………意識が戻った時に
  なんか身に着けていたぞ」








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