絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~

ブラックベリィ

0055★修学旅行就寝中の異変*更新してきたモノは?

 触手に近いつるが、指1本動かせないほど神護の全身に絡みついた。
 その絡みついた緑色の植物らしいつるが、神護に訴える。

 『…………テ………タ……………』

 全身の自由を奪われて、なにか懇願するように訴える植物?に、神護は意識を向けて、思念を送ってみる。
 が、要領を得ず、何度も何度も意識を集中し、思念で意思疎通を試みる。

 『……イ………ス……テ……』

 全身に絡み付く緑色のつるのような触手?を持つモノが、ジレたように神護の洋服の中へと、細い触手?を忍び込ませて、より肌に密着してくる。
 そのなんとも言えない、気持ち悪いような…おぞましいさと怖気おじけを感じる触手が、全身を這いながら、それでも神護と意思疎通をはかろうとしていた。

 『……ケテ……ワ…シ……シュ……………』

 素肌をまさぐるように這い、耳孔にまで柔らかい触手が入り込んでくる。
 神護は、その瞬間、なんとも言えない感覚に、無意識に身体をブルッとさせて叫ぶ。

 「なにを言いたいか、わかなねぇ~よ
  もっと、はっきり伝えてくれっ………」

 そう神護が叫ぶと同時に、全身を拘束し、素肌を這う触手がザワリッと蠢き、耳孔に挿入された触手が細かく振動する。

 「……っ……ぃ……ひっ……やっ………」

 ゾゾゾッとしたモノと同時に、明確な意思を神護は感じる。

 『…タ…ケテ……シュシ……………』

 脳内に響く意味不明な言葉を認識しようと、神護は意識を集中させて、思念を送ってみる。
 
 そして、何度目かわからない思念でのやりとりの後、神護は全身に浸透する何かを感知したと同時に、意識を消失させた。




         ***




 「……ご…神護……神護……」

 その呼びかけに、神護はパチッと目を開いた。

 「……? えっとぉ~……」

 状況がわからず、首を傾げる神護に、竜治が嘆息する。

 「うなされていたけど、大丈夫かい?」

 そこで、神護は納得する。
 なぜ、他の班の者と2人1部屋のここに、竜治がいるかを…………。
 うなされていたというが、その夢の内容を綺麗さっぱりと覚えていないので、神護は困った表情で聞く。

 「わりぃー……そんなに大きな声だったか?」






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