絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~

ブラックベリィ

0024★ビャクヤの隠れ家処分 1軒目

 街の中にある隠れ家に入ったビャクヤは、ハフッと嘆息する。

 もう…あんなに… みるからに
 黒鼠族こくそぞくと判る者が
 この街にまで居るとは……

 このぶんでは
 もう2つある隠れ家の街にも

 あの黒き河の国の兵士達が
 既に散っているとみてよいな

 弟達は 大丈夫だろうか?

 こんなに 早く各地に
 手がまわっているとは………

 ここに所蔵してある
 禁断の魔道書や生活必需品を
 さっさと処理しよう

 ここが処分し終わったら
 残り2つの隠れ家にあるモノも
 さっさと処分しなければ………

 ビャクヤは、休憩をほとんど取らずに動き回っていたので、再び大きく溜め息を吐いた。

 「いまいましいが
  今は どうしようもないのが
  現状だな

  とにかく なにが口にして
  体力を温存せねば…………

  何時 黒鼠族こくそぞくのやつらが
  この家にいる私に気づくか………」

 自分の落ち込みそうな精神を維持する為に、ビャクヤはそう呟いてみる。

 とにかく この家にあるモノと
 残り2つの隠れ家の私物

 私の《魔力波》が滲んでいるモノは
 全部 何が何でも処分しなければ

 ひとつでも あやつらの手に渡れば
 下手へたをすると…………

 それを使って
 私を探されてしまうからな

 ビャクヤは、この家に用意しておいた食料をテーブルの上に並べる。

 「ふむ この家には
  それほど置いてなかったな

  あとは ぶどう酒の壷だけか………
  ちと 惜しいな

  まぁいい 喉も渇いたことだし
  水がわりに飲んでしまえ」

 自分に頷いてから、最初の隠れ家から持ってきた食料の中で、比較的手を加えずに食べられるモノをテーブルに置く。

 棚にズラリと並べられたぶどう酒の壷をひとつだけとり、テーブルへと置く。
 勿論、飲む気なので、杯も一緒に…………。

 そして、手をそれなりに加えないと食べられないよな保存食は、持ち歩いている大きな袋へと入れた。







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