絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~

ブラックベリィ

0010★天の門・真の故郷へ 前編


 そう言って、大神官長は、鳳皇ほうおうラー・シン・ビャクレイを見る。
 視線を送られた、鳳皇ほうおうラー・シン・ビャクレイは、ゆっくりと決断の頷きをする。
 それを確認し、大神官長が宣言した。

 「それでは、私達神官が

  今は天に座す
  サー・ラー・フローリアン様の
  残した場所

  我等の真の故郷への門を開きます」

 その宣言に続き、右の補佐が、言葉を続ける。

 「天の御座への道は…………
  飛翔族としての真なる《力》の

  大半を封じられている我等には
  キツイ道程みちのりとなるでしょう」

 左の補佐は、背後に隠しておいた物を、ズイッと武を司る者達の前へと押し出して言う。

 「ここに、水晶と鏡と
  剣と弓と矢があります

  これを使って
  この地に住まう者達を
  連れて行きなさい」

 市井の民達を気にしていた、武を司る者達の表情が明るくなる。
 鳳皇ほうおうラー・シン・ビャクレイは、強い口調で命令する。

 「もはや、一刻の猶予も無い

  そなた等、護衛隊の者達は
  早く、民達や姫達を連れて
  門をくぐるのだ」

 鳳皇ほうおうラー・シン・ビャクレイの言葉に重ねるように、大神官が場所を指示する。

 「真なる故郷への門は
  サー・ラー・フローリアン様の
  神殿に出現します」

 それを確認し、第一皇子のビャクヤは、鳳皇ほうおうラー・シン・ビャクレイを振り返って聞く。

 「父上、では、我等は?」

 鳳皇ほうおうラー・シン・ビャクレイは、これ以上皇子達の成長を見守ることができないせつなさを、おくびにも出さず、淡々と命ずる。

 「そなたらは、神官達が
  真なる故郷への門が開くまでの
  時間を捻出するコトを命じる

  だが、よいな
  けして、あやつらに捕まるでないぞ

  あやつらの目的を忘れるな
  特に、ビャクヤ

  お前は、髪も翼も白銀だ

  グレンの髪と翼は紅いから
  大丈夫だとは思うが………」

 「父上、紅き私よりも

  第三皇子のシレイの方がキケンでは?

  シレイの髪と翼は
  ビャクヤ兄上同様白銀です」






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