絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~

ブラックベリィ

0004★迷惑な求婚再び


 懲りるという言葉を知らない、国王ジャアハード・ムハーリ・ハーリィア黒き鼠の王は、再び鳳皇ほうおうラー・シン・ビャクレイに、姫への求婚の申し込みにきていた。

 そう、十年も経たずに、また結納の品々を積んだ馬車と共に、国王ジャアハード・ムハーリ・ハーリィア黒き鼠の王は輝く峰の国にやって来たのだ。

 そして、同じ言葉の繰り返しになる。

 「何度、申し込みに来られても

  私は我が一族の姫を
  そなたに嫁がせる気は無い

  寿命も《魔力》も体力も
  違い過ぎる故に」

 「王の姫や他の王族の姫がダメなら…………

  貴族としか呼べぬ程度の姫で
  よいと言っているではないか

  同盟の証しにもなるのだから
  あまたいる姫の一人を……」

 「断る。即刻、帰って……」

 何度断られても、黒き河の国の王ジャアハード・ムハーリ・ハーリィア黒き鼠の王は諦めなかった。

 が、後宮には既に、出身国や身分は色々だが、側室や愛妾があまたおり、王子も王女も身分(王位継承権の順位)は、かなり違うが多数いたりする。

 それは、彼にとっては、政略結婚させる為や、友好の証しに使う存在として必要な、王女達を作り出す為に必要な存在だから、当然の事でしかなかった。

 大国の王なのだから、側室や愛妾を持ち、愛でる事は当たり前の行為で、隠す必要も無いと思っていたりもするのだ。

 数年が経ち、黒き河の国の領土がまた広がったので、気分が良くなりまた国王ジャアハード・ムハーリ・ハーリィア黒き鼠の王は飛翔族の国にやって来た。

 「今回こそ、色よい返事が頂きたい」

 「なんど、来られても迷惑だ
  姫を嫁がせる事は無い」

 「飛翔族の鳳皇ほうおうである
  貴方の応えだけではなく
  直接、姫に目通りしたい

  我が正妃になれば
  どのような栄耀栄華も
  思いのままだと伝えたいのだ……

  そのぐらい
  させてくれてもよいだろう」

 「栄耀栄華がなんになる

  夫も子供も孫もひ孫も
  自分より遥かに早く死ぬと
  判っているのだから

  全て意味が無いだろう」



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