俺が頼んだ能力は神達の中での普通じゃない!!

白林

試験②

「みごとだ。」
マッチョマンがそう呟いたかと思うと、その姿が消えた。

そして、今度は後ろから
「第一次試験合格だ。」
と、声が聞こえた。

 やっぱりそうか。はじめの試験は、試験官が本物じゃないことに気付くことだったのか……。

 俺がおかしいと思ったのは、マッチョマンが言った「何か気付いたことや気になったことなどの質問はあるか?」という言葉だ。

 一見普通に感じられる言葉だか、俺なら普通に「質問はあるか?」と聞く。

それをわざわざ、気付いたことや気になったこと。と言ったことが不自然だった。

これは多分、第一次試験に気付かせるために言ったんだろうな。

 そして、決定的だったのがマッチョマンから気配を感じられなかったこと。

確かに気配を消すことはできる。しかし相手に自分の存在を認識されていればそれは完全ではない。

 俺がいくらマッチョマンを見ても微塵も気配を感じることはなかった。

まるでそこには誰もいないようなそんな感覚だった。

 「お前以外にも何人かは気付いていた者もいたようだ。
しかし、気付けなかった者もいる。お前達は不合格だ。ここから立ち去ってもらおう。」

 パチン、とマッチョマンは指をならした。
すると、不合格者達の足下に黒い穴が開く。
その中へ不合格者達は落ちていった。

 そして残ったのは俺とティナを合わせた18人だった。
半分以上人数が減ったことがわかる。

「大分人数が減ったな。改めて、俺はギルス。第十位部会の七位だ。次の会場はこっちだ。ついてこい。」

 そういうと、マッチョマンことギルスは歩き出した。

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