俺が頼んだ能力は神達の中での普通じゃない!!
能力検査。
目を覚ますとカーテンの隙間から日の光が差し込んでいた。
「朝か……。」
俺がソファから起き上がろうとすると
「ふぅあ……。悠太……もう起きるの……?」
昨日、ベッドに寝かせたはずのティナが何故か俺の布団の中にいた。
「何でお前がここにいるんだよ?」
「悠太がいる……から。」
「そういうことじゃなくてだな……。」
「……?」
ティナは意味がわからないとでも言うように首を傾げていた。
それから、セリカが起きてくると軽く朝食を取り、能力検査が始まった。
「じゃあ、悠太君、この聖剣に触ってみて。」
セリカが机の上に用意していた、長剣を指差す。
俺は割れ物を扱うようにそっと、剣に触れた。
金属のつるつるとした感触が指に伝わってくる。
「おぉ。悠太君は剣の適性があるんだね!じゃあ、次はティナちゃん、触ってみて。」
ティナは一回深呼吸をし、恐る恐るといった感じで聖剣に触れる。
その瞬間、バチッ、と何かが弾ける音がし、ティナの手が弾かれた。
「……!?大丈夫か!」
俺がティナに近付くとティナは手をさすりながら
「ビリビリする……。」
と不機嫌そうに呟いていた。
「ティナちゃんは魔法の適性かな?
うん。二人ともお疲れ様。じゃあ、次はこの水晶に手をかざしてみて。」
セリカ聖剣をしまい、隣の机から水晶を持ってくる。
俺は嫌な予感がしながらも水晶に手をかざす。
水晶は………何の反応も示さなかった。
ーーなんでだよ!俺、神に能力は平均値でって頼んだよな!?なのに何で特別だとか言われてる"血の能力者"とかになってるの?
あの神、分かった。みたいなこと言ってたよな!神、使えねぇー!
俺は心のなかで神に毒ついた。
別に俺はキリスト教徒でもなければ、イスラム教徒でもないのである。
正直に言ってしまえば、神はただの傍観主義者だとしか思っていない。
「悠太君、血の能力者だよ!凄いよっ!」
俺とは逆に、セリカは何故だかわからないがとても喜んでいた。
「次はティナちゃんの番だね。水晶に手をかざしてみて?」
ティナはさっきの剣のこともあってか、先程よりも慎重に水晶に手をかざす。
すると、水晶の色が、水色から赤に変わり、緑に変わった。そのあとも、色がどんどんと変わっていく。
セリカがあり得ないものを見るような目でティナを見つめた。
「あり得ない…。ティナちゃん、全部の魔法に、同じくらいの大きな才能が、あるみたい。血の能力者と魔法の適性は何ら変わりない、いや、上回ってるくらいだよ。」
「ティナちゃん凄い!」
セリカはそのままティナを抱き締めた。
そんなセリカとは反対にティナには喜びの表情は見られない。
どちらかというと、嫌そうな、そんな表情だ。
俺の様な、力を持っていたくない人間の表情と近いような、そんな顔だ。
「そう言えばセリカ、ギルドで冒険者登録したいんだが場所分かるか?」
俺は、話題を変えることにした。
「うん。ここでて、右に曲がればすぐだよ。」
「まじか……。」
そんなに近かったのに気付かなかった。
「試験、明日だよね?二人は一般試験受けるの?特別試験受けるの?」
聞きなれない単語がセリカの口から出てくる。
それよりも大事なのは……。
「明日が試験日なのか?」
セリカは、俺の言葉を聞いて目を丸くする。
「まさか……知らなかったの?じゃあ、エントリーは?」
「エントリー?してないが?金出せばなれるもんじゃないのか?」
ーー普通異世界って金を出せば冒険者登録出来るんじゃないのかよ。
「あぁ!もう!私が、上に掛け合ってみてあげる!試験出られなくなっても恨まないでよ!」
セリカは頭を抱えしゃがみこみ、すぐに立ち上がると家を出ていった。
ーーでも、掛け合ってみるって、一体セリカは何者なんだろうか?
俺は敢えてその疑問に触れないでおくことにした。
「朝か……。」
俺がソファから起き上がろうとすると
「ふぅあ……。悠太……もう起きるの……?」
昨日、ベッドに寝かせたはずのティナが何故か俺の布団の中にいた。
「何でお前がここにいるんだよ?」
「悠太がいる……から。」
「そういうことじゃなくてだな……。」
「……?」
ティナは意味がわからないとでも言うように首を傾げていた。
それから、セリカが起きてくると軽く朝食を取り、能力検査が始まった。
「じゃあ、悠太君、この聖剣に触ってみて。」
セリカが机の上に用意していた、長剣を指差す。
俺は割れ物を扱うようにそっと、剣に触れた。
金属のつるつるとした感触が指に伝わってくる。
「おぉ。悠太君は剣の適性があるんだね!じゃあ、次はティナちゃん、触ってみて。」
ティナは一回深呼吸をし、恐る恐るといった感じで聖剣に触れる。
その瞬間、バチッ、と何かが弾ける音がし、ティナの手が弾かれた。
「……!?大丈夫か!」
俺がティナに近付くとティナは手をさすりながら
「ビリビリする……。」
と不機嫌そうに呟いていた。
「ティナちゃんは魔法の適性かな?
うん。二人ともお疲れ様。じゃあ、次はこの水晶に手をかざしてみて。」
セリカ聖剣をしまい、隣の机から水晶を持ってくる。
俺は嫌な予感がしながらも水晶に手をかざす。
水晶は………何の反応も示さなかった。
ーーなんでだよ!俺、神に能力は平均値でって頼んだよな!?なのに何で特別だとか言われてる"血の能力者"とかになってるの?
あの神、分かった。みたいなこと言ってたよな!神、使えねぇー!
俺は心のなかで神に毒ついた。
別に俺はキリスト教徒でもなければ、イスラム教徒でもないのである。
正直に言ってしまえば、神はただの傍観主義者だとしか思っていない。
「悠太君、血の能力者だよ!凄いよっ!」
俺とは逆に、セリカは何故だかわからないがとても喜んでいた。
「次はティナちゃんの番だね。水晶に手をかざしてみて?」
ティナはさっきの剣のこともあってか、先程よりも慎重に水晶に手をかざす。
すると、水晶の色が、水色から赤に変わり、緑に変わった。そのあとも、色がどんどんと変わっていく。
セリカがあり得ないものを見るような目でティナを見つめた。
「あり得ない…。ティナちゃん、全部の魔法に、同じくらいの大きな才能が、あるみたい。血の能力者と魔法の適性は何ら変わりない、いや、上回ってるくらいだよ。」
「ティナちゃん凄い!」
セリカはそのままティナを抱き締めた。
そんなセリカとは反対にティナには喜びの表情は見られない。
どちらかというと、嫌そうな、そんな表情だ。
俺の様な、力を持っていたくない人間の表情と近いような、そんな顔だ。
「そう言えばセリカ、ギルドで冒険者登録したいんだが場所分かるか?」
俺は、話題を変えることにした。
「うん。ここでて、右に曲がればすぐだよ。」
「まじか……。」
そんなに近かったのに気付かなかった。
「試験、明日だよね?二人は一般試験受けるの?特別試験受けるの?」
聞きなれない単語がセリカの口から出てくる。
それよりも大事なのは……。
「明日が試験日なのか?」
セリカは、俺の言葉を聞いて目を丸くする。
「まさか……知らなかったの?じゃあ、エントリーは?」
「エントリー?してないが?金出せばなれるもんじゃないのか?」
ーー普通異世界って金を出せば冒険者登録出来るんじゃないのかよ。
「あぁ!もう!私が、上に掛け合ってみてあげる!試験出られなくなっても恨まないでよ!」
セリカは頭を抱えしゃがみこみ、すぐに立ち上がると家を出ていった。
ーーでも、掛け合ってみるって、一体セリカは何者なんだろうか?
俺は敢えてその疑問に触れないでおくことにした。
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