俺が頼んだ能力は神達の中での普通じゃない!!

白林

光の壁

 光が俺に向かって一直線に向かってくる。
避けることはまず不可能だ。

剣でもあればなんとかなるかもしれないが、飛ばした男の剣は残念なことにシェラの近くに落ちてしまっている。

「どうしたものか…。」

物理的に拳で消すことはできない。避けることも出来ない。
そして、光がすぐ目の前に迫っていた。

「ふぅ。」

 シェラは深く息を吐いた。
男はとりあえず光魔法の中に閉じ込めた。
後は引取り手が来ればそれで終わる。

終わるのに…どこか不安になる自分がいた。
「早く来ないかなぁ~。」
シェラはそう呟くことしか出来なかった。

「真っ白だな。」

シェラの魔法が俺に当たったらなんか白い部屋に閉じ込めら
れた。

出ようと思って壁を触ってもびくともしない。

 あの時、もしシェラが放っていたのが攻撃系の魔法だった
ら、俺は死んでいたかも知れない。
そう思うと少しホッとした。

 しかし、問題はここからでどうやってここを出るのかだ。
このまま抵抗しなければ外には出られる。なら、それを利用
して、外に出たときにいた奴全員やっつけて逃げるか?

いや、それは危険だな。

 何人いるかわからないし、下手したらシェラのような奴がたくさんいるかも知れないし、捕まれば最悪、俺は男であっち系の趣味のやつに、ピーでピーなことをされるか、一生奴隷のように使われるだろう。

 まぁ、何があっても男にだけは売られないようにしないといけないな。うん。

 俺はそう決断すると、もう一度壁を見る。ずっと続いているようにみえるこの部屋の中も案外狭い。
       
「こんなとき、とか都合出て・・こにあればいのに。」

 俺がそんなことを愚痴ると俺の影がぐにゃりと歪んだ。

その影は俺の手元まで延びてきて、触れるとそれはひとつの剣になった。

大きな真っ黒な剣。多少薄気味が悪いとも感じたがここから出られるならと俺は大きな剣を光の壁に向かって一直線に降り下ろした。

ーーパリンッ
その壁は音を立てて砕けていった。

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