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俺が頼んだ能力は神達の中での普通じゃない！！

白林

どうしてこんなことに…。

　外は雨模様で家の中で、ゲームでもしてゴロゴロしていたい気分だった。

夏休みだというのに、外は梅雨の残りがあるのか未だにジメジメしていて鬱陶しいくらいだ。

だというのに、俺は夏休みにもかかわらず学校に行かなければならなかった。

原因はまぁ、俺にある。

授業の出席日数が足りなかったり、提出物を出してなかったりなどだ。

　今もだが、俺は”学校”に行く意味がよくわかっていない。

義務教育である中学を卒業してまでなぜ俺が高校なんて行ったのかというと、仕事をしたときの給料が全く違うからだ。

　同じ仕事をしていても、高校を卒業したほうが給料が高い。

俺は、しっかりとはじめの頃は授業に参加し、学問をそれなりに学んだ。

進んで予習も復習もして、テストではいい成績をおさめた。

だが……それがだめだった。

　一年もあれば高校の勉強なんて予習で三年間分全て終わってしまうし、わざわざ理解していることをもう一度聞かないといけないのは正直に言うと眠くて仕方がない。

しかし、将来のために入ったのに、履歴に傷をつけるわけにもいかない。

俺は仕方なく制服に身を包んだ。

　家から出るときに傘を持ち、道路をゆっくりと歩いていった。

そんなときだった。

「きゃー！！」

いきなり後ろから甲高い声が聞こえた。

　俺が振り返ってみたのは、包丁を振り回しながら、人を、子供を、襲っている男だった。

男はジリジリと少しずつ、子供に近づいていく。

「お前には、未来があっていいよなぁ！俺にはもう未来が！希望が！ねぇんだよ。だから、俺が！未来のあるガキを殺していくんだ！！」

男はそんな訳のわからないことを叫びながら、子供に包丁を振り上げた。

ーー危ない！！
そう思ったときには、もう間に合わなかった…。

　俺は、咄嗟にもう駆け出してしまっていて、子供を庇って前に立っていた。

男は、いきなり現れた俺にビックリして、振り上げた包丁を止めると、

「邪魔すんなあぁぁぁ！！」

と、今度は包丁を水平に持ち、俺に突き刺した。

　口から、血を吐き出す。頭がクラクラし、立っていられなくなった俺は地面に倒れた…。

傷口からどんどんと血が流れ出していた。

聞こえる悲鳴と、男の笑う声。

　俺が最後にうっすら眼を開けてみた光景は、救急車を呼ぶ女性と、到着した警察が男を逮捕するところだった…。

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