オタクの俺が勇者ですか?!

柿和田 歌

オタクの俺が異世界召喚ですか?!( 4 )

「ここから先にモンスターがいるんですか?」

「はい、街の中にモンスターが入らないようにするため、魔力で封印しているんですよ。ここから先はどこから現れるかわかりませんよ」

「おーーー!、やっとか、冒険をするまで長すぎだー!なんか今までは勇者の伏線とかないのかな?俺はきっと勇者に…」

「タクヤ大丈夫?ここからはしっかり集中しないと死んじゃうよ」

そうだった。俺は今からモンスターと戦うんだ。もしかしたらここで俺がモンスターをかっこよく倒してランがおれにほれたりして…。

「よし、ラン行くか!」

「うん。行こう!」

俺たちはモンスターがいる森に行…

「ねぇ、タクヤって武器持ってたっけ?、持ち物なら、ケースって言うとメニューが目の前に出てくると思うよ」

あっ、武器のことすっかり忘れてた。でもなるほどそういうことか、実力が弱くても、武器が強かったら強そうに見えるんじゃん!

「そうなんだ!んっんふん、それでは、
ケーーーース」

つい興奮して叫んでしまった。

「ん?、ねぇランメニューってどこにでてくるの?」

「あ、そのー、ちょっと言うの長いかなー」

「あっ、ごめん。つい張り切っちゃって、
てへっ、」

「じゃあもう一回やろうか、しっかりだよ」

「あっ、無視ですか…ちょっとひどいな…
では次は真面目に…ケース!」

おれは少しばかりクールに言ってみたのだが…ラン様の反応は………

「どう? できた?」

「やはりかー、全く気づかないところ流石ですラン………いや、ラン様ー。あっそうだったメニュー…って目の前あったわー、なーんてね」

まあこんなボケ、ランには…

「何言ってんの(笑)目の前にあって気づかないって…、ははははー」

なんと言うことだ!ランはこんなシンプルなボケで笑うようなやつでは…

「きっ貴様誰だ!?、ランではないな!?、そんなことで笑うなんて…まあ初めてランを笑顔にしたぞー」

「もう何言ってんの!そんなことしてたら日が暮れちゃうよ。で武器はあるの?」

「あーすっかり忘れてたー。えっと、あっ、何かある!もしやこれが伝説の剣だったりーし…ないですよねー…ってか、なんだこの武器!?オールライト?、      なめてんのか!?、これは正真正銘ケミカルライトじゃないかーじゃないか!しかもこれはおれの大好きなABC45のやつじゃないか、いやーそれにしてもおれを転移させたやつはなんかおれにオタクを忘れて欲しくないんだろうなー、ってそんなこと言ってる場合じゃねー!ケースに入ってるのはケミカルライトだけ!?はぁ…あの…ランさん何もありません。何か持っていませんか?」

ケミカルライトとは、アイドルのライブなどの時振るものである。

「えっ、なんとかライトは?武器じゃないの?まあ一様ストーンソードっていう剣はあるけど…私が冒険者になって初めて買った剣で、弱いけど大丈夫?」

「あっうんありがとう借りるよ。もう何も忘れてないよね?」

「う、うん。装備はしてないけど、森の入り口の近くにいたら強いモンスターは出ないと思うよ」

「それでは長かったですが、行きましょうか」

「うん。行こう」

そう言ってとうとう森に入った。

これから本当に本当の本当の冒険が始まる

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