センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

54話 これからの『悪』の話をしよう。


 54話 これからの『悪』の話をしよう。

(……さあ、どうする、紙野創蔵。今回、私(トコ)は関与しない。すべては、紙野創蔵の決断に託された。ここが一つの分水嶺。最大の『山場』はこの後に控えているが、ここも、かなり大事な選択の場面……お前が本物になるか、それとも、ただのゴミになるか……)

 紙野は悩んだ。
 自分の中の感情との向き合い方に悩む。

 理性的な結論を出すのであれば、
 『殺害』以外の選択肢はないはず。
 感情論的にも、『殺害』以外の選択肢はないはずだった。

 ――だから、最終的な『この決断』が、
 いったい、何に起因しているのか、紙野は自分でも理解できなかった。

「……お前らは……それなりの冒険者だな……」

 紙野は、慎重に言葉を選びながら、

「……使い道は……なくもない……」

 そう言葉を述べると、
 紙野は、

「上エックス、下ビー、エルワイ、アールエー、モキュモキュ、フルモッキュ、P0000052」

 デバッグコマンドを入力後、


「――『壁に耳あり障子にメアリー』――」


 『ジェイズの三人』に対して、魔法を行使してから、

「お前たちの言動を、これから、完璧に監視させてもらう。裏工作をしようとしても無意味。お前らの行動は、全て、筒抜け」

 前提を口にした上で、

「これから、お前らには、俺の奴隷になってもらう。ちょうど、冒険者としての隠れ蓑がほしかったところ」

 紙野は、これからも、お互いの在り方を語る。

 表では、冒険者として振る舞い、情報を収集(誰がどの上級国民を護衛するか等)&コントロール(嘘のウワサを流すなどして、絶望の濃度を高める)しつつ、裏では、殺人鬼として、上位者を殺しまくる。
 ――というのが、紙野のプレゼン内容。


 ちなみに、トーンの人口は、世界最大。
 その数、2000万人以上。
 その内の1%、20万人が上級国民。
 上級国民の中でもピラミッドはあるのだが、最下位の上級国民でも、庶民とは比べ物にならない地位と権力を持つ。

 上級国民になるための条件は様々、存在値は高ければ高いほどいいが、低いからといってなれないわけではない。
 ・資産は1億以上、年収は2000万以上あった方がいい。
 ・国に対する貢献度が一定以上であることは重要。
 ・国の運営・政治に関係する重要な職種についている。
 ――などなど、様々な要因から鑑みて、最終的な判定が下される。

 どの条件を満たして上級国民になったにせよ、功績を残すためには、それなりの存在値は不可欠。
 つまり、上級国民は、例外なく、優秀な贄ということ。

「今日までに、数百人単位で、上級国民を殺してきたが、まだまだ上級国民は山ほど残っている。そいつらを効率的に狩っていきつつ、能力の高い冒険者も狩っていく」

 冒険者の数は人口の5%である100万人。
 日本でいうところの、公務員ぐらいの割合で存在している。
 
 冒険者は100万人という膨大な数がいるが、しかし、その中でも、優れた力を持つ冒険者は上位10%の10万人前後しかいない。
 残りの90万人は、そこらの一般人と大差ない。

 つまり、紙野のターゲットは、上級国民20万人と、上位冒険者10万人の合計30万人。
 それだけの数を狩っていくとなると、最大級の効率化を図る必要性がある。

「優れた力を持つ連中は皆殺しにしていく。お前らには、そのサポートをやらせる。異論は認めない」

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