センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
46話 やっかいな化け物、紙野さん。
46話 やっかいな化け物、紙野さん。
「なんなんだ、あいつ! 何したって、死なねぇじゃねぇか!」
サクっと殺して報酬ゲット――そんな未来を想いながら、紙野に攻撃を加えていったのだが、しかし、いつまでたっても、紙野は死なない。
確実に致死量以上のダメージを受けているはずなのに、
いつまでたっても、紙野は抵抗を続ける。
最初、紙野は、剣で対応していた。
その剣さばきが、あまりにお粗末だったので、
ジェイズの面々はノーダメージで完封できていた。
しかし、2分ほど経過したところで、
紙野が、
「剣、ムズすぎるだろ。いつまでたっても、上手く扱えねぇ……こりゃ、単騎じゃダメだな……話にならねぇ」
ボソっと、そうつぶやいた。
その直後、
紙野は、
「上エックス、下ビー、エルワイ、アールエー、モキュモキュ、フルモッキュ、F0000006」
デバッグコマンドを入力してから、
「――オーラドール・アバターラ」
5体の分身を出現させた紙野に対し、
カザミは、
「はははははっ! ゴミが分身魔法を使って増えたところで、数が多いゴミになるだけだぜ!」
そう叫びながら、紙野の分身をボコボコにしようとした。
普通、分身は、紙耐久で、動きが鈍く、火力も低い。
――しかし、紙野のアバターラたちは、
「うらぁああ!」
カザミが、いくら攻撃しようと、
全然死なずに、
ズタボロの傷だらけになりながらも、
必死に食らいついてくる。
「おいおい、こいつの耐久、どうなってんだ……?」
何度、致命傷を与えても、
なぜか、死なずに、ずっと、抵抗してくる紙野。
5分が経過した段階で、
イチジョーは、
「普通の手段では、おそらく殺せない。けど、無敵ってワケはないだろう。何か弱点があるはず。それを探る。みんな、選択できる『あらゆる手段』を用いてくれ」
リーダーの号令に従い、
カザミは、アイテムボックスの中にしまってある、無数の武器(斧、槍、ハンマー、ボウガン)を、とっかえひっかえしながら闘う。
サポート魔法と回復魔法だけではなく、攻撃魔法も使えるマイは、雷、炎、氷、など、今の自分に使える全ての属性を、惜しみなく、紙野に叩き込んでいく。
――そして、10分が経過したところで、
「勝てない! いったん、逃げるぞ!」
イチジョーは、撤退を選んだ。
ここまでの10分間で、紙野が『完璧に不死身』であることを理解したカザミとマイは、イチジョーの撤退命令に素直に従う。
「なんなんだ、あいつ! 何したって、死なねぇじゃねぇか!」
そんなカザミの叫びに対し、
イチジョーが、
「おそらく、不死種や霊種のモンスターと似たような特質をもっているんだろう。特定の攻撃を受ければすぐ死ぬけど、それ以外の攻撃では死なない――みたいな、そういう特別な」
「そんなもん存在すんのかよ!」
「知らないけど、あってもおかしくはない。この世界は、日本と違って、魔法やスペシャルが存在する世界。なんでもありの魔境だから」
そこで、マイが、
「今の私には使えない上位属性の魔法しか効かないのかも。あるいは、特定のデバフ魔法をかけた上で手順通りに攻撃しないと死なないとか?」
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