センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
9900話 すべてを奪い取った神の帝。
9900話 すべてを奪い取った神の帝。
コンマ数秒の後、そこには、『龍の鎧をまとったT』が立っていた。
「死に晒せ、クソがぁあ! いうとくけど、ジュリアを奪われた今のワシは、死ぬほどブチ切れとるからなぁあ! 『大いなる田中家』の『主席』から『パートナー』を奪っておいて、ただで済むと思うよ、ボケがぁあああ!!」
本当にブチ切れている様子のTは、
暴力的な数値を振りかざして、
『ショデヒ(クロート)』をボコボコにしようとした。
しかし、
「かつて、私は、『無敵の師』――『絶対最強の究極闘皇神』による教導を受けた」
『ショデヒ(クロート)』は、Tの猛攻を軽やかに回避していく。
まるで、すべてが見えているようだった。
「同じく、師の教導を賜った同胞たちと、鍛錬を繰り返した。高みを求めて。少しでも師に近づくために」
『ショデヒ(クロート)』の動きは洗練されていた。
おそろしく長い時間、武と真剣に向き合ってきた者特有の老練な動き。
「師は偉大だった。そんな師の因子を受け継ぎ、徹底的に磨き上げ、より深みのある結晶へと昇華させた尊き王――それが、真・神帝陛下。『熾天使の総督』と『完全体の聖なる死神』の因子をも取り込み、究極の個へと完全進化をはたした神の中の神」
『ショデヒ(クロート)』は、Tの猛攻を全てよけきった。
たやすいことだと言わんばかりに。
「そんな『神の帝』の配下である私が――所詮は、舞い散る閃光のパーツでしかない貴様に負ける道理などない」
そこで、『ショデヒ(クロート)』は自分のターンに入った。
洗練された動きで、Tを圧倒していく。
「ぐっ……っ!」
Tは綺麗に抗った。
最善手を打ち続けた。
Tの行動にミスはなかった。
すべての動きで90点以上をたたき出した。
けど、『ショデヒ(クロート)』がずっと99点の動きを徹底するものだから、
差分で、ジワジワと追い詰められていく。
「鬱陶しいヤツやのう! くそったれがぁあ!」
自分の方が『圧倒的に戦闘力が低い』――そう理解したTは、
「――『自力ではどうにもならん』というのは、よぉ分かったわぁ! つぅか、ワシ自身の戦闘力が低いことなんざ、最初から知っとるわい!」
だから、『ショデヒ(クロート)』をトレーニングの相手にしようかと思ったのだが、『ショデヒ(クロート)』がおもいのほか強すぎて、まったくトレーニングにならなかったので、Tは、仕方なく、
「――プライマルトランスフォーム-モード【彷徨う冒涜】!!!」
序列二位の闘神『ソンキー・ウルギ・アース』の戦闘力をその身に宿す。
そして、自身は、ソンキーのCPUに徹する。
こうなってしまえば、もはや、
『ショデヒ(クロート)』ごときに、対抗する術はなくなる。
『ショデヒ(クロート)』は、
「……っ……やはり、ソンキーが中心になると、さすがに無理か……」
あっさりとボコボコにし返された。
『ショデヒ(クロート)』も、なんとか、必死に抵抗していたのだが、
あまりにも、戦闘力に差がありすぎた。
『ソンキー』>『ショデヒ(クロート)』>『T』
この序列はゆるぎない。
その現実と正式に向き合った『ショデヒ(クロート)』は、
「ショデヒでは、さすがに役者が不足しすぎているな……まあいい。十分、カナリアとしての役目はこなしてくれた」
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