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9880話 ミシャを壊したくて仕方がないホアノス。


 9880話 ミシャを壊したくて仕方がないホアノス。

「いいだろう。確かに、私が、上に立つ方が、この国は発展していく。国のため、民のためを思えば、私が、国家主席という重荷を背負うべきか。――ただ、それだけの重責を背負うとなると、心の安らぎも必要となる。ショデヒよ。私に愛を与えてほしい」

「……それは、つまり、どういうことでしょうか?」

 ここにきて、ショデヒは、初めて、『本物の疑問符』を口にする。
 ここまでは、おおかた予想通りだったし、
 追加で、何か条件をつけてくるだろうということも予想はついていた。

 しかし、『愛がどう』とか、そんな世迷言を口にしだすとは思っていなかった。
 どういう『裏』がある言葉なのか、頭を働かせて、いくつか推測してみたが、しかし、ショデヒでは、見当がつかなかった。

「単刀直入に言おう。魔王国の魔法学生を、一人、さらってきてもらいたい。名前はミシャという少女だ」

 そう言われて、ようやく、ショデヒは合点がいく。
 先ほどは、『魔人を壊すのはもう飽きた』などと言っていたが、しかし、まだまだ、その欲望は残っていた――それだけの話だろう、と、ショデヒは自分の中で勝手に納得を下すと、

「……ホアノス議員のお願いを無碍にすることはできません。もちろん、尽力させていただきます。ただ、理由をお聞かせいただいてもよろしいですか? なぜ、その少女なのか」

 ほかで代用ができるか否か、それを事前に確認しておくのはリスク回避の上では重要。
 この程度のミッションを失敗する気はないが、
 しかし、物事に絶対はないため、あらかじめ、リスクマネジメントは徹底しておく。

「だから、愛だよ、ショデヒ。先日、魔王国に諸事情で出向いたのだが、その時、私は、彼女の可憐な姿に一目ぼれしてしまった。狂おしいほどに、私は彼女を望んでいる」

 ――先日、魔王国で行われた『煉獄サバイバル』には、各国の首脳級が、魔王国における人材育成の様子を見学という名目であつめられていた。
 そこで、ホアノスは、ミシャを見つけた。
 彼女の姿を見た瞬間、脳が沸騰したのを感じた。

 ――『好みの容姿』というわけではない。
 そういうことではなかった。
 決してそうではなく、
 とにかく、なぜだか分からないが、
 ホアノスは、彼女を見て沸騰した。

 『彼女を壊したくて仕方がない』という情動にかられた。

 だから、ホアノスは、ミシャを見つけた瞬間から、
 『さらうため』の計画を練ってきた。

 あれほどまで『情欲をかきたてられる少女』は初めて会った。
 この感情に理由などない。
 魂の奥底から、『渇望』があふれてとまらない。
 この感情はまさに愛――などと、ホアノスは、『愛』という概念を穢していく。

(あのキツい目をした少女に……地獄を見せてやりたい……とことん……徹底的に……)

 よだれがあふれる。
 醜い唾液が止まらない。

 ミシャを壊す未来を想うと、下半身が熱くなる。
 徹底的に泣かせて、砕いて、慈悲を請わせる。
 その果てに、ゆるぎない死を刻み込むのだ。

 『その一連の全て』を『芸術』として自分の心に刻み込む。
 それが、今のホアノスの夢。

「そのミッション、請け負いますし、全力で取り組ませていただきますが……もし、失敗した場合は、他の、似たような女性を用意するという形で交渉を進めさせていただいてもよろしいですか?」


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