センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
56話 ザンク・ザンク・レボリューション2号は、ザンク・ザンク・レボリューション1号の夢をみるか?
56話 ザンク・ザンク・レボリューション2号は、ザンク・ザンク・レボリューション1号の夢をみるか?
「あんた、なんで、ヤクザの神様なんかやってんの? それだけの力があるなら、普通に、『太陽の神』とか『最高神』とか、そういう、なんか、仰々しいもんになれんのとちゃう?」
「太陽の神は他にいる」
「あ、おんねや。ほな、あかんな。キャラ被りはおもろないから」
などと言いながら快活に笑う1002号。
そんな彼に、蝉原は、
「あと、最高神も他にいる。俺の上司。すべての神の頂点に立つ神の王――真・神帝陛下」
「へぇ。そんなんもおんねや。上には上がおんねんなぁ」
と、そこで、蝉原は、
「1001号のカケラが、だいぶなじんできたな……すでに『記憶の大半』が戻っているはず。確認させてもらうが、お前のマスターであり、お前の奴隷でもある王子様の名前は?」
そのクイズに対し、1002号は、
「ポロロッカ!」
と、伝説的な解答を口にする。
「……」
笑顔のまま、まっすぐ見つけてくる蝉原に、
1002号は、笑顔を返して、
「ごめん、ごめん。クイズで来たから、これは、カマしとかなアカンなぁ、と思うて」
軽く謝罪の言葉を並べてから、
「ミルス王国の第三王子、モナルッポ・スピアーズ・ミルトリス。前のザンクさんは、モナ様に召喚され、その兄レバーデインに殺された。その時は、ようわからんスペシャルか何かで蘇生した……あの時は、肉体そのままやった感じ? それとも、あの時も、実は、肉体が入れ替わっとったんかな?」
「あの時と今では、方向性がだいぶ違う」
「へぇ、そうなんや。ところで、『死ぬ直前の記憶』がないんやけど、これはなんかのエラー? それとも、仕様? ゾメガやセンエースと鍛錬しとったところまでの記憶はあるんやけど、その後、どうやって死んだかの記憶がないんやけど」
「その部分は、完全に消失してしまった。データをサルベージしてみたが、ここまでグチャグチャだと、再生するのは無理。というわけで、ある程度、何があったかは口頭でつたえる」
蝉原は、自分が殺したことは伏せて、
テキトーな理由をザンクに語る。
「――というわけで、君は、禁止魔カードを使って、呪殺が得意な神獣を召喚してしまい、蘇生不可能な殺され方をしてしまったというわけだ。せっかく呼び出した君を、そんなことで死なせるのはもったいないから、仕方なく、俺が直々に出張ってきて、肉体を再生させ、回収した魂をぶちこんだ……と、そういうわけだよ」
「ほーう。ちなみに、結局のところ、ザンクさんをここに召喚したんは誰なん? モナ様? それとも、ヤクザ神様?」
「君がここに辿り着くための道筋を用意したのは俺。召喚をしたのはモナルッポ。……例えるなら、俺は国土交通省で、モナルッポは車」
「あんたが扱っとる道の上を、モナ様という車で運ばれて来たんがザンクさんか。なるへろ。ちなみに、ヤクザ神様、あんたは、なんで、ザンクさんをここにつれてきたん?」
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