センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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51話 ザンク・ザンク・レボリューション1001号。


 51話 ザンク・ザンク・レボリューション1001号。

(……なるほど……さすが、『1001号』のシンボルナンバーは格が違ったってことか。『1000号』までのザンクなら、絶対に不可能だった)

 蝉原は、自分の中での疑念に、『仮』の納得を決め込んでいく。


 //ここで、ザンクの正式名称を述べる。
  彼の正式な名前は、『ザンク・ザンク・レボリューション1001号』
  オリジナルの『田中・イス・斬九』の因子を使って作成されたパチモンの1001番目。
  1001番目だからといって、特に製造過程に変化は起こっていない。
  『ザンク・ザンク・レボリューション1001号』を構成している要素の『ほぼ100%』が、『山ほどいる他のパチモン』と何も変わらない。
  違うのは型番だけ。
  1001番目につくられたというだけ。
  ――それだけの違いでしかないが、
  しかし、『世界の運命力』の前では、
  その違いは、どうやら、なかなか大きなものだった模様//


(16……17……18。終了)

 18秒間のハックが終了し、
 蝉原は正しい視界を取り戻す。

 即座に、ザンクに何が起こったのかを確認。
 すると、


「存在値1兆3000億?!」


 ザンクの数値が、膨大な値に膨れ上がっていた。

「おいおい、いやいや、それはおかしいよねぇ。究極超神化を使っているわけでもあるまいし」

 今のザンクは、完全に素の姿だった。
 まだ、プロパティアイをハックされているのかとも思ったが、
 現状の目は、正常に稼働していた。

 つまり、ザンクは、究極超神化は使っていない。
 究極超神化という変身は、誰が使っても、ある程度の『明確な変化』が起きる。
 髪の色だったり、肉体・顔つきの変化だったり、あるいは、妙な鎧を着こんだり。

「いったい、君に何が起こっているのかな?」

「――今のザンクさんの状態に、別に名前とかはないから、今、適当につけるけど……そうやな……あえて簡素に『破滅モード』とでも呼ぼうか」

 しっとりとしたネーミングで、自分の可能性を、清楚に整えてから、

「神種を芽吹かせて、絶死のアリア・ギアスを積んだ上で、ザンクさんをぶっ壊して、強制的に存在値を爆上げさせてもろた」

 そんなザンクの言葉を、
 蝉原は、しっかりと咀嚼して、飲み込んだ上で、

「……壊れたモンスターと同じような状態にあると? それにしては、理性が残っているようだけれど?」

 蝉原は、ザンクをシッカリと観察する。
 何も見逃さないように、目を皿にして、

 『どこがどう変わっているのか』を、必死に見極めようとしている。

 そんな蝉原に、ザンクは、静かなテンポで、

「自然に壊れたわけやないからな。それなりのカスタムをほどこすことは可能やよ。果物の品種改良とかをイメージしてくれや。より大きく、より甘く、その上で、種をなくして、傷もなく、完璧なものをつくる。そういう『自然』に対する『イタズラ』を、『壊れる』という行為にあてはめただけの話。『壊れたら、理性を失います』という、そんな世界の『縛り』――根本的なシステムからすらも自由であるためにもがき続けるのが、ザンクさんの流儀」

「むちゃくちゃなことを言っているね。『高い効果を求めた場合、重たい対価が必要となる』という、世界の絶対定義すらもシカトしている。……あ、もしかして、それが、テスカトリポカの能力だったりするのかな?」

「いや、テスカトリポカに、そんなチートはない。『相手の何か』を『一つコピーする』ぐらいが精々」

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