センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
3話 覚醒で壊れるほど、スーパーソンキーは脆くない。
3話 覚醒で壊れるほど、スーパーソンキーは脆くない。
最高峰のパーツを入手したソンキーは、
「……いいぞ、ザンク。やはり、お前はスペックが高い。そのイカれた頭脳で、俺の『解放を阻害する暗号』を解読してくれ」
――思考の奥深くで、ザンクは、いくつかのカギを見つけた。
難易度の高いパズルだが、
しかし、ソンキーの中にいると、視界が広がって、
いつもより簡単に、補助線を見つけ出すことができた。
(開くぞ、ソンキー……自分の覚醒を受け止めろ。お前は、もっと、高く飛ぶ)
宣言の直後、
ソンキーは、自分の魂魄に革命が起こったことを理解する。
無粋な壁をぶち壊し、
望んでいた『先』へとたどり着く。
「――究極超神化6」
5が限界だったスーパーソンキー。
だが、ザンクを強化パーツにすることで、すぐさま、次のステージへと至る。
アッサリとしているように見えて、
その裏では、山のような積み重ねがあった。
基礎の上に基礎を固めて、
地獄のような地味すぎる鍛錬を、コツコツ、コツコツ、コツコツと、
バカみたいに、必死になって積み重ねてきた……
だからこそたどり着いた未来。
――スーパーソンキーが積み上げてきたものは、
『6』の領域にとどまらない。
(ソンキー、お前の可能性はソコで終わらん……もっと、もっと、先に行ける……)
ザンクは自重しない。
ソンキーを加速させていく。
壊れるかもしれない――と、一瞬だけ思ったりもしたが、
(ソンキー……ザンクさんは、お前を壊してでも、センテラスを助けるから、そのつもりで)
覚悟を表明すると、
ソンキーは、
「ずいぶんとナメてくれる。『覚醒で壊れる』ような……そんな醜い無様を、俺が晒すことでも?」
その感情は、高次のプライド。
極めて純度の高い生粋の誇り。
ソンキーの中にしみついている、
『己こそが舞い散る閃光のライバルである』という、強すぎる自意識。
その自意識は、多少過剰ではあるものの、しかし、間違いなく本物。
「俺が積み重ねてきたものだけで、俺は俺を支える。お前は、ただ、素直にハシャげばいい。見せてやろう。ソンキー・ウルギ・アースの可能性を」
(言われんでもやるぅ言うてるやろ)
と、最後に、そんな言葉でシメてから、
ザンクは、ソンキーの覚醒情報に関するコードを読み解いていく。
(ザンバグを使った疑似コードゲートで、暗号を解析するんも、かなり慣れてきた。……ソンキーを閉じ込めとる『可能性の扉』は厚くて強固。その扉をしめとるカギの強固さも同等レベル。普段のザンクさんなら、かなり時間がかかるところ……けど、今の、バッキバキになっとるザンクさんの前では、『ヘアピンで開けれる南京錠レベル』でしかないんじゃいっ……)
華麗な怪盗のように、
鮮やかに、素早く、ソンキーの可能性をこじ開けていくザンク。
どこぞの三世を彷彿とさせる、芸術的な手練手管。
(……開くぞ、ソンキー。あとはお前次第や。できれば壊れんな。仮に壊れても、センテラスだけは助けてくれ。頼んだで)
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