センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
122話 害虫は消毒だ。
122話 害虫は消毒だ。
「異世界モノをクソだと言っておけば流行を抑えた気になれる、という、その勘違いが一番ダサいってことにすら気づけていない、自分の愚かさと向き合った方がいい」
「ははは、ずいぶんと感情的になるね。そんなに異世界モノが好きなのかい?」
「震えるほどに焦がれていたよ」
そう言いながら、ゆっくりと武を構えるテラス。
そんな彼女に、蝉原は、
「神化すら使えない今の君が、『究極超神化8になりかけている今の俺』に、いったい、何をしようって?」
「言ったよね? 殺してやるって。あんたは生きていても有害なだけだから。人様に迷惑をかけるだけの『害虫(ゴキブリ)』。あんたのおしゃべりは、ジャ〇アンリサイタルと同じで町の公害」
「かなり辛辣だねぇ。害虫に例えられるとは。くく。普通なら、かなり気にするところなんだろうけれど……今の俺は、『虫』にたとえられても、別に不快感を覚えない。なぜなら、虫ってのは、実のところ、非常に高いところにいる生命体だからね。『人』の上に『コンピュータ』がいて、その上に、『虫(バグ)』がいる。俺はそう認識している」
「お前がそう思うんならそうなんだろう。お前の中ではな」
そう言いながら、テラスは駆け出して、
蝉原の顔面に向かって、
「閃拳」
全力の拳を叩き込んだ。
そこらのモンスターぐらいなら、どうにかなるレベルの拳だったが、
当然、蝉原には通じない。
避けることも、いなすことも、受け流すこともなく、
そのまま顔面で受け止めた蝉原は、ニコっと、優しく微笑んで、
「可愛らしい拳だね。幼稚園児の娘に肩たたきされるというのは、こういう感触なのかもね」
と、煽りに煽ってくる蝉原に、
テラスは、
「あんたは、現実が、よくわかっている。仮に、あんたに子供ができても、こうなる。園児の娘に、渾身の顔面グーパンされる毒親……それが、あんたの本質だよ、蝉原勇吾」
「ははは。美しい返しだ。やはり、君と俺の相性は素晴らしい。できれば、永遠に踊っていたいところだけれど……そろそろお別れの時間だ。寂しいね」
などと言いながら、
蝉原は、両手に魔力とオーラをため込んでいく。
ギュンギュンと膨張していくエネルギーの波動。
「……最後に、何か言いたいことはあるかな? 『辞世の句』があるのであれば、ぜひ聞かせてもらいたい」
「あんたに言いたいことは、いつだって一つだけ。……殺してやるから、覚悟しろ」
「いいねぇ。素晴らしいよ。君と俺の間には、『冥王星とミジンコぐらいの差』があるのに、いったい、どうやって、俺を殺すのか、実に興味がある。さあ、見せてくれ。何をどうするのか」
そう言いながら、
蝉原は、両手をテラスに向けて、
「異次元砲」
極悪な照射を放った。
次元の違う一手。
彼我の差を考えれば、どうあがいても消失するしかないこの一手に対し、
テラスは、
「――オメガバスティオン――」
今の彼女に出来る『最善』を使う。
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