センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

117話 世にも奇妙な女たち。


 117話 世にも奇妙な女たち。

「これなら、喜んでもらえるのかな?」

「……ま、まあね。ただ、できれば、ヤンキー系じゃなく、清楚でおしとやかなスタイルにしてくれた方がよかったかな」

 などと、どうにか、ギリギリのところで、ファントムな返しを通すテラス。

 蝉原は、フフっと微笑んで、

「それだけは勘弁してくれ。俺に『アウトロー以外の立ち回り』を期待されても困る。中身はもちろん、見た目においてもね。なんせ、俺は……」

 さらに膨らんでいく。
 とめどなく、
 蝉原は加速する。


「――宇宙一のヤクザになる男だから」


 まだまだ強くなっていく蝉原に、
 テラスは、冷や汗を流しながら、

「……美少女の姿で、そのセリフを言われても、挨拶に困るかな」

 などと言いつつ、
 テラスも、オーラを爆増させていく。

 置いていかれないように。
 必死になって、今の『ここ』よりも、もっと高い場所を目指してあがく。

 そうやって、膨らんでいくテラスを見て、
 蝉原は、恍惚の表情で、

「ああ、やはり、君は最高だ……」

 そうつぶやいた直後、
 その場から姿を消した。

 それまで黙って様子をみていたザンクの目には、
 ただ消えたようにしか見えなかった。

 あまりにも超越的な速度。
 ザンク程度では絶対に追えない領域。

 ――テラスですら、対応するのがギリギリの速度。


「ぐっ!!」


 脇腹を『えげつない蹴り』でエグられたテラス。

 かわせると思ったのだが、
 想像以上に、蝉原の動きがキレていた。

「っ……神速閃拳――」

 速度で押された時は、
 とりあえず、中間択のジャブ連打で様子を見る。

 ――そんなセンの思考ルーチンを読んでいた蝉原は、
 ほんの少しだけ距離を取って、パチンと指を鳴らす。

 すると、
 テラスの拳が、何かに当たった。
 そして、『触れた』と認識した直後、
 膨大な魔力を誇るブラックレーザーが、テラスの腹部にぶちささる。


「ぐっ……はっ……がぁああああっっ!」


 黒いレーザーは、テラスの体の中に入った瞬間、性質を大きく変化させて、まるで、アルカノイドの玉みたいに、何度も、何度も反射して、テラスの体をグチャグチャにしていく。

 テラスは、

「あああああっ! 暴れるな! き……消えろっ!」

 自分の体内に右腕を突っ込んで、
 暴れるレーザーを、わしづかみで消失させる。

 その光景を冷静に観察していた蝉原は、

「事前に、イビルノイズ・カンファレンスコールを機雷型で空間に設置しておいたんだ。魔力感知でバレないよう、フェイクオーラを何重にも仕込んだ上で。ちなみに、全部で100ほど設置してある。どこに設置されているか分からないカンファレンスコールをかいくぐりながら、俺に攻撃することができるかな? あ、ちなみに、この『暴露のアリア・ギアス』を積んだことで、一個一個の火力が上昇したからね」

「……」

「君との死闘は、何度も何度も経験してきた……俺は『学習能力のないバカ』じゃないんでね。君と積み重ねてきた時間は、ちゃんと、全部、血肉にしてある。俺なんかよりも、君の方が、はるかに美しい。それは間違いないけれど……でも、だからって、そう簡単に、今の俺を殺せるとは思わない方がいい」


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