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96話 サイコ・パラミシ・アジ・ダハーカ(スリーピースカースソルジャー仕様)は二度死ぬ。


 96話 サイコ・パラミシ・アジ・ダハーカ(スリーピースカースソルジャー仕様)は二度死ぬ。

「見事だ……よく、私を殺せたな……喝采に値する」

「そら、どうも。ところで、あんた誰?」

「……私は、神の傑作……『サイコ・パラミシ・アジ・ダハーカ(スリーピースカースソルジャー仕様)』」

「ずいぶんと長い名前やなぁ。まあ、もう二度と呼ぶこともないから、別にええけど」

「いや、そうでもない」

「……ん?」

「私は二度死ねる」

「……ふぇ?」

「くく……さて、『次の私』を、貴様はどう対処する?」

 最後にそう言うと、
 『サイコ・パラミシ・アジ・ダハーカ(スリーピースカースソルジャー仕様)』は、
 ゴフっと血を吐いて、完全に息絶えた。

 ――と思った直後、
 『サイコ・パラミシ・アジ・ダハーカ(スリーピースカースソルジャー仕様)』の体が淡く光って、

「よっこらせ」

 ムクリと起き上がり、
 首をゴキゴキと鳴らしてから、
 ザンクの方に、視線を向けて、
 ニタニタしながら、

「さて、それでは二回戦と行こうか」

「……えぇ……マジっすかぁ……」

 心底しんどそうな顔をするザンクに、
 『サイコ・パラミシ・アジ・ダハーカ(スリーピースカースソルジャー仕様)』は、

「第一ステージをクリアしたお前には特別に、しばらく私と戦える権利をくれてやる。というわけで、私の呼び名を決めようか。私の名前は長いからなぁ。……んー、そうだな……まあ、気軽に、サイアジさんとでも呼んでくれ」

「……さっきの異次元砲に、ほぼほぼ、魔力もオーラもブッコんでもうたから……もう、動くこともままならん状態なんやけど……」

「それは大変だな。まあ、でも、貴様なら、なんだかんだ、三回戦まで進めるだろう、知らんけど」

 軽くチョケてくるサイアジさん。
 先ほどまでのサイアジさんとは、どうやら、一味違う模様。

「ちなみに、私は、復活するたびに強くなる。今の私は、先ほどの私よりも、力強く、素早く、魔力もオーラも豊潤で、かつ、バイタリティも高い」

 スペックだけではなく、精神性、人格の部分でもテコ入れが加わっている様子。
 表情や雰囲気の違いが顕著。
 『単一的な処理しか出来ない出来の悪いAI』から、
 『高度な処理が可能な高次AI』に変化したみたいな。
 そんな違いを感じた。

「……とうぜんだが、状態異常に対する耐性も底上げされている。完全な耐性を得ることはできないが、もう、貴様ごときの攻撃で状態異常になることは……まあないだろうな。くくく」

「……」

「さあ、タナカ・イス・ザンク……どうやって私を殺す?」

「む、無理とちゃうかなぁ……ははは」



 ★



 ザンクは、とりあえず、あがいてみた。
 頭をフル稼働させて、
 小技、裏技、バグ技、卑怯技、
 あえてのロマン砲、死角からの奇襲、逆に正面からの特攻。
 出来ることはすべてぶちこんで、撃てる策を全ブッパして、
 どうにかこうにか、サイアジさんを殺そうともがいた。

 しかし、

「どうした? もう終わりか? まだ、私のHPは1%も削れていないが?」

「……はぁ……はぁ……いや、もう無理やん……何したって、どうにもならへん……お前、強すぎるやろ……どうなってんねん……」


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