センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

57話 結局のところ、力が足りないのが全て。


 57話 結局のところ、力が足りないのが全て。

(現状やと、舞い散る閃光に関するデータを集める以外に道がないんも事実なんよなぁ……)

 何か、ほかのヒントになるものはないかと探してみたが、しかし、ことごとくプロテクトがかかっており、そして、絶対に突破することが出来ない。

(なんか、一本道のロープレをやっとる気になってきた……)

 ロールプレイングゲームの世界では、
 『フラグを立てないと、次の町へ進めない』というのが一般的。

 条件を達成せずに、次の町に進もうとしても、
 人や壁や障害物が邪魔をして、先に進むことが出来ない。

(……ザンクさんは、『自由度の少ないゲーム』が大っ嫌いなんじゃい……っ)

 ギリっと奥歯をかみしめて、
 ザンクは、『自分の奥深く』へと潜っていく。

 そして、決意する。

(一本道のRPGなんざ、タルすぎて、やっとれるか……ザンクさんの自由意志を阻む壁は、バグらせてでも突破する……っ)

 ザンクは、何か、突破口がないものかと、
 必死になって、コスモゾーンのあちこちを探し回る。

 ――けれど、

(……あかん……硬すぎる……)

 ザンクを阻む壁は、ザンクの想像を遥かに超える堅牢さだった。

(このままやと、永遠に足踏み状態……)

 そこで、ザンクさんは、考える。
 『どこまで』を捨てて、『どこまで』を許容するか。

(……結局のところ、『力が足りん』のがすべての問題点やねんなぁ……レバーデインを何回も殺しまくったことで、ある程度、経験値を稼ぐことはできたけど、その大半を、『遊』の魔法スペックアップに投資してしもうたから、ザンクさんの基礎ステータス、マジのゴミやねんなぁ)

 さらに考える。
 『許せる範囲』を、必死になって考える。
 その結果、

(しゃーないから、最低限の力を得るまでは、レールに乗ったるか……最終的に、一発カマせたら、それでええ……)

 不快感を飲み込んで、
 『実利』を取る決意をかためる。

 ――今のザンクの心境を例えると、
 『本当は独り暮らしをして完全自立したいのだが、しかし、起業のための金をためなければいけないので、仕方なく、実家に住んで出費を抑える』
 そんな感じである。


 ★


 ――ミルスの城に帰ってきたモナルッポは、
 すでに擬態を解除しているドーキガンと共に、
 モナルッポの自室へともどると、
 すぐに、作戦会議をはじめた。

 最初に口を開いたのはモナルッポ。

「……あれが、バーチャ・ルカーノ・ロッキィだ。どうだ。とんでもない化け物だっただろう?」

「ええ。信じられない豪傑でした。モナルッポさんの話は、何一つウソではなかった。実際に会うまでは……正直、モナルッポさんが話を盛っているのだろうと疑っていましたが……そんなことはありませんでした……あれは、本当に、とんでもない化け物です……」

「で、どうする? あれを、どう対処する?」

「ボクたちだけでは対処できません。最低でも、もう一人、強大な力を持つ者の助けが必要です」

「……ああ、そうだな。間違いない」

「相談しにいきましょう。ゾメガさんのところへ」


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