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47話 ザンクさんが、『認知の領域外』の『さらに外』にいる可能性。


 47話 ザンクさんが、『認知の領域外』の『さらに外』にいる可能性。

(……コスモゾーンのデータバンクに、秘匿情報として刻まれとった『認知の領域外のさらに外側』というのが、もし、本当に存在したとして、仮に、ザンクさんのデータが、そこで管理されとるものやと仮定すれば……)

 Tでも、ザンクのデータを把握するのは難しいのかもしれない、
 と、そんな仮説をたてた。

 すべては推測によるもの。
 かくたる証拠など、なにもない。
 しかし、ザンクは、

(そっちの線を前提として、ここからは行動していこか……そっちの方がおもろいしなぁ……うまいことやったら、東志を出し抜くこともできるかもしれんし)

 ニタァっと黒く微笑むザンク。
 ほぼ完全に悪人だが、別に、マジもんの悪意を抱いているわけではない。
 彼は『そういうタイプである』というだけの、極めてシンプルな話。

 Tのログを解析した結果、
 『この世界で起こっていることの大半』は、
 『東志の想定通りに進んでいる』と言うことが分かった。

 その『抜群にラリった頭脳』で、世界全てを、完璧に掌握している天才。
 そんな彼に対して『死角から一発かましてみる』のも面白いかも、と、ザンクは考えた。

 この感情と行動を、かりに『学校の勉強』でたとえるなら、
 『この学校に田中家の血族は自分しかいないから、間違いなく自分が学年一位を取る』と確信している親戚の油断をつき、身分を隠して転校し、バレないよう猛勉強して、死角から一位をかすめとろうとする行為。
 ――みたいなものである。

 ゆえに『なぜ、そんなことをしようと思ったか』とたずねれば、
 ザンクは、『おもろそうやったから』とこたえるだろう。

 ユーチューバーがドッキリを仕掛けるのと同じ。
 高尚な理由や意味などない。
 『面白そうだったから』という、きわめて純粋な欲求でしかない。
 ――と、ザンクは、答えるだろう。
 本心はともかく、口では、そう答える。
 それが、ザンクの生き様。

(東志の権限を奪い取れたら、一番おもろいんやけどなぁ……)

 だいぶ邪悪な思想を、
 好奇心だけで推し進めていくザンク。

(あっちが、こっちを認識できてへん『今の状況』やったら、たぶん、できんこともないねんなぁ……『東志がザンクさんに気づかん』というのが、『どのレベルまで適応されるんか』を、ちょっと、踏み込んで調べてみるか……もし、バレたら、シャレですませばいいし)

 などと、心の中でつぶやきつつ、
 コスモゾーンに対するハックの範囲を広げていく。
 その結果、ザンクは、

(はい、あっさりと『コスモゾーンの管理区域』まで、たどりつきました、と。……サーチされることを恐れんかったら、なんでもできるな。……というか、警備がマジでザルやな。どないなってんねん。もしかして、あれか? 東志の認識の中では、ザンクさん、『石こ〇帽子』でもかぶってんのか?)

 冗談っぽく言ってみたものの、
 しかし、その可能性は非常に高いだろうと、ザンクは思う。

(警戒網に触れたら終わりの透明化よりも、認識されんようになる『石〇ろ帽子』の方が、偽装レベルは上……石こ〇帽子を、情報戦の中で、使えたら完全に最強……ザンクさんは、対東志において、最強の天敵たりうるかもなぁ……)

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