センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

44話 ちょっと有名なポールさん。


 44話 ちょっと有名なポールさん。

 ザンクは、ワンダーマンの擬態のまま。
 モナルッポは、ポールに擬態した状態。
 ドーキガンも、『そのまま聖龍王国に潜入すると動きづらくなってしまう』ので、擬態の魔法をかけて、『モナルッポが召喚したスタービースト』という形に落ち着かせた。

 そんな状態の奇妙な三人組で、聖龍王国内を散策中に、

「お、ポールじゃないか」

 偶然、サーバンに出会ったモナルッポ。

 軽く、挨拶を交わし合った後に、
 サーバンは、モンスターに擬態しているザンクとドーキガンをチラ見して、

「後ろの中級モンスター2体は、使役しているのか? それとも召喚している感じか?」

「どちらも召喚獣ですよ。俺のメイン職業は戦士系ですが、サブで召喚士の職業も獲得していますので」

「そっちのワンダーマンは大したことなさそうだが……こっちのスタービーストは、なかなかの眼力だ……一介の中級モンスターとは思えない覇気を感じる……」

 まじまじと、ドーキガンを観察してから、

「ポール。お前は、直接的な戦闘能力だけではなく、召喚士としても、なかなかのようだ。しかし、少々、不安定ではある模様」

 チラと、ザンクを見てから、

「潜在能力は素晴らしいものがあるが、まだまだ発展途上で、安定感にかける。精細さを磨いて、高い次元の力を安定して発揮できるように成長できれば、お前は、俺の隣に並ぶこともできるだろう。がんばれ、ポール。お前の未来は明るいぞ」

 と、サーバンなりに、ポールを高く評価してから、
 ご機嫌で、その場を去っていった。

 そんなサーバンの背中を尻目に、
 ザンクは、

(ザンクさんの凄さを一目で理解せぇ、言うのは、まあ、もちろん、難しい話なんやけど、あんなにも、しっかりと、節穴ぶりを見せつけられると、さすがに、わろてまうなぁ。がんばらなあかんのはお前の方やで。まあ、お前ごときでは、いくら頑張っても意味ないけど)

 心の中で、さらりと酷いことをつぶやきつつ、
 モナルッポの後ろを、黙ってついていく。

 細かく、街中を観察していると、
 そこで、ザンクは、一つの事に気づく。

(この街の構造……完全なる合理性を感じる。地形や住民の特性を考え抜いた上での完璧な演算……この繊細な仕事……身内のノリを感じる……おそらくやけど……東志が、関わっとるんちゃうかなぁ……)

 モナルッポに案内され、聖龍王国を観察していった中で得た『細かい情報』を繋ぎ合わせていった結果、ザンクは、

(この国を支配しとる聖主ってのは、どうも、東志っぽいんよなぁ……たぶん、この世界のゲームマスターをしながら『この国の中枢にも関わっとる』みたいな感じちゃうかなぁ)

 などと考えていると、
 ちょうど、そのタイミングで、


「お、ポールやないか。なにしてんの?」


 『準優勝の商品をくれた、元大会運営の一人である青年』が、
 気さくに、モナルッポに、声をかけてきた。

「バーチャ様に会えないかなぁ、と思っておりまして、色々と方法を探っていたところです」

「会ってどうするん?」

「前回、あなたからいただいた魔カードを、召喚の魔法として使わせてもらって、強力なモンスターを召喚したので、再挑戦してみようかと思いまして」


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