センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
43話 邪神と、もう一つの災い……ふむ……そのどっちかは、ザンクさんのことやったりして。
43話 邪神と、もう一つの災い……ふむ……そのどっちかは、ザンクさんのことやったりして。
「聖龍王国も確認しましたが……大きな被害が出ていないかを、遠目に確認しただけだったので、内情に変動があったことは知りませんでした……まさか、トップが変わっていたとは……」
「さっきの君の話を聞いて、もしかしたら、バーチャと聖主が、その『お告げとやら』で言われていた、『邪神』と『もう一つの災い』なのではないか……などと、邪推してしまったのだが、その点について、君はどう思う?」
「外から見た限り、聖龍王国は『順調に発展していっている』という印象しか抱きませんでした。大きな破壊や、死傷者が出ている様子はなく、むしろ、国として、堅牢になっているという感じでしたから……聖主とやらが、邪神である可能性は低そうな気がしますが」
「可能性を言い出したら、現時点では、どっちにも転びうる。問題なのは、対処の優先順位。聖主とバーチャは、いずれ、北大陸全土に戦争を仕掛ける気だ。多くの血が流れるだろう。俺としては、『ただ壊れて暴れるだけ』の『邪神という種族のモンスター』が1体や2体出現することよりも、世界征服をたくらんでいる聖龍王国の方がよほど怖いな」
「……王としては、そちらの方が重要でしょうね。いえ、ボクとしても、確かに、聖龍王国に対して警戒すべきでしょう……ただ、『話を聞いただけで判断する』のは問題があると考えます。あなたの判断にケチをつける気はありませんが、自分の目で確かめないうちに、最終的な決断はくだすべきではないというのが、ボクの基本方針なのです」
そう言うと、ドーキガンは立ち上がり、
「これから、聖龍王国の内部視察を行ってきます。もし、よろしければ、案内していただけませんか。今後のことについて、まだ、相談したいこともありますので、できれば、同行していただきたいのですが」
「……問題はない。ご存じの通り、この国での、俺の評価は、いまだに『無能』のままだから、基本的には自由にうごける」
――そんな二人の会話を、黙って聞いていたザンクは、
(……邪神と、もう一つの災い……ふむ……そのどっちかは、ザンクさんのことやったりして)
心の中で、そんなことを口にしつつ、かるく笑う。
(別に、世界を破滅させる気とかはないけど、ザンクさんは、気分次第で、なんでもやってまうから、世界側の視点で言えば、普通に怖いやろうなぁ。その辺の不安定な不安が、お告げという形で現れた……みたいなことも、なくはないんちゃうかなぁ……知らんけど)
もし、自分が『災い』扱いされているとしたら、
と考えて、
(まあ、それはそれでおもろいかなぁ)
などと、ザンクは、心の中で笑った。
★
――その後、すぐに、モナルッポ、ドーキガン、ザンクの三名は、
聖龍王国へと足を運んだ。
ザンクは、ワンダーマンの擬態のまま。
モナルッポは、ポールに擬態した状態。
ドーキガンも、『そのまま聖龍王国に潜入すると動きづらくなってしまう』ので、擬態の魔法をかけて、『モナルッポが召喚したスタービースト』という形に落ち着かせた。
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