センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
24話 モナルッポ王子の力も、ぜひ見せていただきたいねぇ。
24話 モナルッポ王子の力も、ぜひ見せていただきたいねぇ。
(特に、情報が少ないのは、やはり、フーマーの使徒……国全体が秘密主義で、『誰が、どの程度の力を持っているのか』や『軍としてはどの程度の戦力を抱えているのか』など、その辺が、いつまでたっても、さっぱり見えてこない……)
――この大研究会において、下位3国は、
上位国に対して、
『われわれは、こんなに力をもっている、余計な手出しをするとかみつくぞ』
と、威嚇をかまし、
上位3国は、
ほかの上位国に対し、
『わかっていると思うが、下手な動きをみせるなよ』
と、牽制をはさむ。
そんな、威嚇と牽制が堪能できる大研究会も、
そろそろ、終わりの時を迎えようとしていた。
いつも通り、裏では、そこそこピリつきつつも、表では、あるていど和やかに、すべてのプログラムが終了しようとしていた、その時、
トーン共和国の代表であるカバノンが、
「モナルッポ王子の力も、ぜひ見せていただきたいねぇ」
などと、爆弾を投下する。
カバノンは、『ミルスの王族に関する情報』を、当然、ある程度以上につかんでいる。
牽制の一つとして『ミルスの恥であるモナルッポ』を引き合いにだしてくるあたり、
カバノンの性格の悪さがうかがえる。
『国家間の軋轢(あつれき)』を生むことが目的ではない。
これは、かるいジャブ程度の牽制にすぎない。
ちょいと、おたがいの距離感をはかっているだけ。
ようは、ちょこっとだけ『マウントをとった』みたいな感じ。
下位の国から上位の国に対して、この牽制は出来ないが、
上位の国から下位の国に対しては、こういう『軽いマウント』も許される。
正式な序列で言えば、トーンは3位で、ミルスは4位。
どっちが上位国で、どっちが下位国か、それを、明確化させようとするトーンの思惑を正確に受けとったレバーデインは、
(非常に不愉快……だが、別にかまわない。どちらの方が強いかは明確。それに、身内の恥にも、もう慣れた)
ここで、怒って、トーンとにらみ合うようなマネはしない。
トーンが、『一つ下のミルス』に対して、『上下関係を明確化させようとしてくる』のにも慣れている。
こんな時、モナルッポの存在は、むしろ、ありがたいとすら思う。
できるだけ恥はかきたくないが、
ミルスには、『うまくかわせる恥のかきかた』がある分、
精神的な疲労と苦痛は少なくてすむ。
悪いのはバカなモナルッポただ一人。
そう言う風に自分を慰めることが出来れば、
心の平安はたもたれる。
レバーデインは、モナルッポに視線を向けて、
「モナルッポ、お前も何か召喚してみろ。自分にできる最高峰を、各国の代表に見てもらえ」
「了解です、兄上」
元気に返事をしてから、
モナルッポは、両手に魔力を集中するというポーズをとる。
そして、空中に『簡易なジオメトリ』を描きながら、
「来い、ワンダーマン」
そう宣言すると、
ジオメトリの向こうから、
『剣を持った青年のようなモンスター』が飛び出してきた。
コメント