センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

23話 各国の思惑と行動。


 23話 各国の思惑と行動。

(一騎打ちをすれば、私が負けるだろう……)

 レバーデインの評価は正しい。
 サーナの存在値は630。
 彼女に本気を出されれば、レバーデインでは歯が立たない。


 ――国としての強さは、間違いなく、ミルスの方が圧倒的に上だが、

(もし、セファイルと戦争になったら、非常に厄介……セファイルは、国民の数も少ない小国だが、だからこそ、団結はしやすい……)

 国民の数が増えれば増えるほど、比例して、派閥による内ゲバ、足の引っ張りあい、修正不可能な軋轢も大きくなる。

(サーナは、国民からの人気も高い稀代の指導者……彼女を中心にまとまって、決死の覚悟を示された場合……)

 敗北することはないだろうが、しかし、大きな痛手をおうのは間違いないだろう、
 ――と、レバーデインは推測する。

 別に、セファイルとはもめているわけでもないので、
 戦争に発展する予定は皆無なのだが、
 しかし、レバーデインは、『次期国王』兼『ミルスの最大戦力』として、
 常に、『他国と戦争になったら』と考え続けなければいけない。

 ドーキガンとゾメガのおかげで、今は、平和な時代に落ち着いているが、
 しかし、いつ、どのタイミングで、その均衡が破られるか分かったものではない。

 人生は、何が起こるか分からない。
 だからこそ、王(上に立つ者)は、
 常に『最悪』も想定しておかなければいけない。

(まあ、セファイルはサーナだけの国だから、最悪の状態になっても、対処できなくはない……)

 しょせんは、小国。
 やっかいな指導者はいるが、しかし、それだけ。

(カルとフーマーとトーン……真に警戒すべきは、この3つの大国……)

 セファイル王国とセア聖国の2国は、
 ミルスよりもレベルの低い国なので、
 レバーデインの警戒度は低い。

 結局のところ、『支配者の警戒心』は、
 『戦争になった時に勝てない国』に対して、もっとも強く向けられる。

(今回は、上位3国とも、その実力を綺麗に隠してきた……)

 今回、上位3国の代表は、なかなか質の高い最上級モンスターを召喚してきた。

 しかし、事前の下調べによると、
 上位3国の代表には、もっと強大な力があるはず。

 彼らの『上限』が『具体的にどの程度か』は、さっぱり分からないし、
 もしかしたら、召喚技能に関しては、『最上級モンスター』が『限界』かもしれない、
 上位3国は、情報戦にもたけているので、実際のところはベールに包まれたまま。


(特に、情報が少ないのは、やはり、フーマーの使徒……国全体が秘密主義で、『誰が、どの程度の力を持っているのか』や『軍としてはどの程度の戦力を抱えているのか』など、その辺が、いつまでたっても、さっぱり見えてこない……)


 序列一位の宗教国家、精霊国フーマー。
 間違いなく北大陸最強の国だが、ほとんど表に出てこない。
 だからこそ不気味で、他国からは気味悪がられている。

 かなり、芯が強めの宗教国というのも、敬遠されているポイントの一つ。
 神を信仰していない無神論者の視点で言えば、神を狂信している者に対して、どうしても、一定以上の距離を取ってしまうもの。


コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品