センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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15話 世界のコードで遊ぶ者。


 15話 世界のコードで遊ぶ者。

 親戚の顔を思い出している間も、ザンクは、ひたすら、解析を続けていた。
 無数の思考を並列に展開させながら、それぞれで、超高度な演算を超高速で繰り返す。


 その結果、


「――遊玄術(ゆうげんじゅつ)ランク21」


 ザンクは、サクっと自分の殻をやぶっていく。
 ありえない速度で、ありえないレベルの魔法をもてあそぶ。

 その様を目の当たりにしたモナルッポは、

「……その程度の魔力で……ついには、レバーデインと同等の魔法を操るようになったというのか……」

 モナルッポは、バカではない。
 かなり優れた知性を持っている。
 だから、ここまでくれば、
 さすがに、ザンクの『イカれ方』が理解できた。

 具体的に、『どのぐらいの天才か』は分からないが、
 少なくとも、『天才である自分(モナルッポ)』を置き去りにしている、
 ということは間違いなく理解できた。

「モナさんよぉ、この程度で、驚いとったらあかんで。ザンクさんは、まだまだ高く飛ぶ」

 そう言いながら、ザンクは、先ほど、顕現させた『遊玄術』の魔法をさらに複雑化させて、

「――遊玄解術ランク21」

 解析系に特化させた魔法へと昇華させる。
 この魔法は、簡単に言えば、世界のソースコードを盗み見て、そして、介入できるようになる魔法。

(さて……ほな、世界の舞台裏を、すべて、あますことなく見させてもらおうか……)

 一ミリたりも、自重も遠慮もせずに、
 躊躇なく、世界のソースコードを盗み見たザンクは、

(おそろしく複雑なコード……けど、なんもわからんことはない……ザンクさんなら、介入できるはず……知らんけどっ!)

 すぐさま、自由に、『自分』を刻み込もうと、
 システムへの介入を試みようとするが、

(……っ……あかんな……)

 序盤の段階で、壁にぶつかってしまった。

(……プロテクトが、想像以上にエグい……だいぶ強固な防衛システム……こいつに対して介入・改竄を実行できるだけの知識が、まだ、ザンクさんにはない……)

 そこから、ザンクさんは、
 魔カードについての禁書を読み込んでいく。
 重厚な鈍器を、またもや、ほんの数秒で読破してしまうと、

(思った通り、魔カードは、異常なほど便利な代物やな。その気になれば、ザンクさんのしょぱい魔力を補完することもできるかも。そうすれば、いちいち、面倒な処理をせんでもすむようになる)

 今のザンクが高位の魔法を使おうとすると、
 余計な手順を大量に踏まなければいけない。

 手順をふむだけで、高位の魔法が使い放題という状況は、かなり破格だが、もし、今、ザンクが、『鉄火場の殺し合い』に足を踏み入れたら、面倒な手順を踏んでいる間に殺されてしまう。

(肉体強度の脆さが問題……その辺の問題を、今、この場で解決するんは、さすがに無理やな。10年ぐらい、筋トレさせてもらえるなら、肉体改造することもできるけど、今日・明日でどうにかするんは無理……となれば、肉体強度も、魔法で補助するしかないな……最善は……機動魔法がええかな……パワードスーツは男のロマンみたいなところもあるし)


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