センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

68話 王が動かなければ民はついてこない。


 68話 王が動かなければ民はついてこない。

「私の力では、聖龍王エルメスの目をごまかすことは難しいです」

「ん……まあ……そうだな……お前の存在値だと、龍の感知能力をごまかすのは、さすがに厳しいか……」

 キッツは、間違いなく優秀だが、『圧倒的上位者』が相手だと、さすがに、手も足も出ない。
 ランク20魔カードの製造方法は、聖龍王国の柱であることは間違いない。
 そんな大事な箇所に、エルメスの目が光っていないはずがない。

「だが、ランク20魔カードに関する情報は、是が非でもほしいところ……」

 そう言いながら、モナルッポは、未来を考える。

「……ショデヒを、正式に、こちらへと引き込むか……」

 と、考えたが、すぐに、

「いや、あれはダメだ……狡猾で野心家すぎる……獅子身中の虫にしかならない気がする……」

 メリットとデメリットを同時に思案する。
 何が『答え』たりえるのか。
 それは、計算している段階だと分からない。
 人生において、『最初から答えが用意されている問題』は少ない。

 モナルッポは考える。
 必死になって、未来を演算する。
 その結果、

「……俺がいくか……」

 ボソっと、そうつぶやいたモナルッポに、
 キッツが、

「それは、おやめください。近い将来、世界の王となるあなた様に、万が一のことがあっては――」

「今、ここで動かなければ、この世界は、聖龍王国に蹂躙されてしまう可能性がある。俺が王として君臨する予定の世界を、俺が命がけで守るのは至極当然の話」

「……では、私も共にいきます。私一人では、龍の感知をごまかすことは難しいですが、モナ様の助力があれば、どうにかなるでしょう。もしもの時は、私がモナ様の盾になります」

「……ああ、頼んだ」

 言われなくとも、最初からそのつもりだった。
 モナルッポは、常に、『王としての最善の選択肢』を求めている。
 自分の命と、キッツの命、どちらかを天秤にかけなければいけなくなった時、
 モナルッポは、迷わず、自分の命を残すことを選択できる。
 その時、モナルッポは、『人間的な迷い』を見せたりしない。

 だが、

「しかし、それは、最悪の時の話だ。もし、そこに、二人とも生き残れる可能性が残っているのなら、最後の最後まで、その可能性を、とことん追求する。どうしても不可能だと両方が判断した場合は、お前を盾にして逃走する。いいな」

「はっ」


 ★


 即断即決。
 モナルッポは、決意すると同時、
 城から抜け出して、北方の森へと向かった。

 兄である『レバーデイン』の立場であれば、こんなことはなかなか出来ないが、
 しかし、現状のモナルッポには、かなりの自由が許されている。
 『可哀そうなほどの無能』という仮面は、こういう場面でも役に立つ。
 油断を誘えるし、大きな自由も得られる。
 足場を固めたいモナルッポにとって、『無能の仮面』は非常に使い勝手のいい必須アイテム。


「――モナ様。そろそろ、聖龍王国の正式な領地に入ります。ここからどうするのですか?」


 キッツの言葉に視線だけで応えると、
 モナルッポは、キッツに右手を向けて、

「擬態ランク23」

 『鬼の進化種』に見えるよう擬態をかける。









―――――――――
・あとがき。
・コミカライズ進捗と裏話。

現在、主要キャラのキャラデザと、2話までのネームが上がってきました。
センが、なろうでよくある「ステータス」の魔法を使っていたので、
「自己鑑定」の魔法がありますので変更を――と言った感じで、
修正をお願いしたりしております。
あと、交渉で、どうにか一話目からシューリを出していただけることにっ!
まあ、最終的にどうなりかはわかりませんが(*´▽`*)
※制作に関わっている人の数は多く、全ての人がセンエースの膨大な物語を読破しているわけではないため、細かいところの修正は私に丸投げの状態になります。漫画表現上の問題で、どうしても、原作の設定とは異なる表現も多々ありますが、その辺は、「理解しているけど、漫画で表現する上では、こっちの方が分かりやすいから、変更している」という感じです。
全てのページに、私が細かく目を通しているので、「ここは、原作の設定だと間違い」と思う部分もあります。
例えば、「スライム2000万匹討伐」のシーンで、センがスライムの亡骸をタワー状態にして腰かけている、というシーンがありますが、本来であれば、そういうシーンはありませんし、倒したモンスターは消失して、魂魄は拐取されます。
ですが、絵で「大量のスライムを倒した」を表現するために、そのシーンはそのまま使っていくことになりました。
そんな感じで「厳密にいうと原作の設定的には間違い」という部分も、漫画表現上の面白さ・分かりやすさを優先するということは多々あります。
その辺は、ご理解いただければと思っております!



キャラデザの方では、ほぼ、私のイラストのテイストが使われた感じです。
普通に、ガラっと変わるだろうと思っていたのですが、ほぼほぼ一緒でビックリしました。
最初の方に「私のイラストにも、一応、目を通して、どんな感じでイメージしているかは理解してもらいたい」とはお願いしておりましたが、まさか、ほぼ完全に踏襲していただけるとは思っていませんでした(>_<)
ラムドも、私の拙いイラストを元に、非常に忠実に再現してくださいましたw

私が描いていないキャラは、完全オリジナルになる感じです。


――また、何か進展した場合は、お伝えさせていただきます(*^-^*)

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コメント

  • 閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

    紅月さん、いつも、この作品を楽しんでくださり、感謝です(^o^)/発売までに、まだ時間がかかりそうです。今のところ、まだ、2話分のネームが上がっている段階で、キャラデザも、決まり切っていない段階なので……ただ、着実に前には進んでおります!進捗が分かりしだい、またご報告させていただきます!!いつも、本当にありがとう!!

    1
  • 紅月

    違う世界観を感じられる!?
    これは楽しみだ!!発売までどれくらいかかりますか?センさんくらい長く生きることは無理だと思ってるので、それまでにあると嬉しいです!

    1
  • 閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

    別設定も、盛り込まれる可能性は大ですね(*´ω`)まったくの別物ではないにしても、違う世界線感を、しっかりと感じられるような雰囲気にはなる感じでしょうかw

    1
  • 紅月

    漫画版仕様変更ってやつですね!!
    つまり、別設定も見れる…ってコト!?

    1
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