センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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48話 超神のグリムアーツ。


 48話 超神のグリムアーツ。

「どうだ……美しいだろう? 真に、神を超えた神の姿……貴様の目に、私はどう映る? 神を前にした貴様は、今、なにを想う?」

 この高みを前にすれば、
 さすがに、もう、やせ我慢は通せないだろう。
 そう思っての問いかけだったのだが、
 しかし、予想とはうってかわって、
 Tは、ケロっとした顔で、

「ん? 贅肉だらけやなぁって思ったけど? 神気の磨き上げが、さすがにぬるすぎる。おどれの基礎存在値を考えたら、1000億ぐらいはないと話にならん。ぬるいっていうか、下手やな。おどれ、才能ないわ」

「……ぁ?」

 これまでの『上位者としての態度』が、一瞬、崩れた。
 『本気の怒り』が沸いて出てきた模様。

「バーチャはんよぉ、もうちょい、頑張りや。運だけはええんやから、ちゃんと努力せな。運の持ち腐れになるで」

「は、はは……ははは……見事だ、見事だよ、ティー・ヒャクヨン。私をここまで怒らせたのは、貴様をふくめ、この世で二人だけだ……」

 そう言いながら、第一左拳にオーラと魔力を、ためにためて、

「誇るがいい。貴様は最大級の偉業をなしとげた。その褒美に、最上級の死をくれてやる!!」

 そう叫び、
 バーチャは、Tに向かって、

「――凛王打(りんおうだ)――」

 拳をつきだした。
 殺意のかたまり。
 命を刈り取る拳。

 バーチャのグリムアーツ。
 純粋に磨き上げてきた左ストレート。
 性質的には、閃拳とほぼ変わらない。
 ただの拳。
 しかし、積み重ねてきた努力が、ただの拳を決戦兵器へと変えた。

 表層の神の中では、ダントツで最高級の拳――
 ――その拳に、
 Tは、ソっと触れる。

「勘違いはやめて欲しいんやけど、お前は、『才能がないヤツ』と比べれば、間違いなく天才級やで」

 そう言いながら、軽く、
 本当に、軽く、クンッと押すだけで、
 バーチャの拳はバラバラに砕け散った。

「ぶへぁあああっっ??!!!」

 激痛も走ったが、
 それ以上に、『驚愕』の方が大きかった。

 『とんでもない顔』になるバーチャ。
 目玉が飛び出しそうで、鼻水がたれている。
 表情をとりつくろう余裕などなかった。

 ――バーチャは、クズだが、間違いなく超神であり、『強さ』という概念に対してだけは誠実であり、真摯であり、そして、博識であるから、今の異常性が、そこらの一般人の数倍、数百倍、数億倍の精度で、正確に理解できる。
 理解できるからこそ、脳が炸裂するほどの驚愕に包まれるのである。

「ばかなぁああっ!! なんだっっ?!はぁあああああ?! どういうことだ! ありえない! あってはいけない! そんな力! そんな! え? は? ぇええええええええええええ?!」

 驚愕と混乱に包まれているバーチャ。

「夢?! そうか! 夢か! そうだ! 私が、人間ごときにやぶれるはずがない! 『センエースに敗れた』という、あの段階の記憶から、すべてが夢か! そうだ! はは! なんだ、びっくりした! ……む、しかし、そうなると、私は、まだ超神になれていないということか……くっ……それだけは残念だが、しかし、夢から覚めたあと、また努力を積んで、いつか本当に超神へと届けばいい。そうだ! それだけの話だ!」


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