センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
25話 新世界の神に、俺はなる!
25話 新世界の神に、俺はなる!
「――ぐ……ふっ……」
死羅腑は、その場にたおれこみ、うずくまる。
チラチラと黒い粒子が漏れているよう。
「強かったぞ、死羅腑よ。あっぱれ。もし、人類が、私という最強の剣を有していなかったら、滅亡していた可能性もゼロではなかった」
「……これが、人の王の力か……思っていたよりも、だいぶ大きいな……ガットネロとやらも、なかなかだったが……貴様は、その上をいっている」
「一冒険者チームと比べられてもな……まあ、しかし、貴様を撃退できるだけの力が、ガットネロにあったというのは、驚くべき事実だ。最大限高く評価していたつもりだったが、正直、足りていなかったな……よくもまあ、貴様を撃退できたものだ」
「人の王よ……私で終わりではないぞ……光あるかぎり、闇もまたある……この世界の絶望は、はじまったばかりだ……せいぜい苦しめ……」
最後にそう言い捨てると、
死羅腑は、完全に消失してしまった。
★
――ここは、南の御用邸。
センは、ここに、ファントムスターズの面々を召集して、話をしていた。
「今回の中央カジノ襲撃で奪った金は、全部で7億5000万テスか……まあまあの収穫だったな」
ゲス顔で金を数えるセン。
「そこそこの勲章ももらったし、一気に『七つ星』まで昇格することも出来た。ダメ押しの一手で、皇城に、メルトゼウスを殴りこませて正解だったな。非常によろこばしい。余は満足である」
と、いったん、成果を口にしてから、
「ファントムスターズよ、これからも、お前たちの働きには期待している」
「ありがたき御言葉。それで、セン様、次は何を?」
「まずは、金だ。今後も、とにかく、金をあつめろ。並行して。有能な人材を集めろ。多ければ多いほどいい。そして、商売ガタキとなる悪党どもをボコボコにしていけ。闇に潜む影はおれたちだけでいい。無限の金、優れた人的資源、裏での地位……すべてを貪欲に求めていけ。この世の闇を俺達で支配する」
そこで、センは、カティに視線を向けて、
「裏で、ファントムスターズが動いている間、表では、カティが快進撃を続ける。裏と表の両方を掌握して、俺は、新世界の神に成る! ふはは、ふははははははっ!」
と、豪快に高笑いをしていると、
そこで、『呼吸をするようにセンの世話をしていたアダム』が、
「え、主上様は、すでに神では? それも、神の中でも、特別な神だったかと」
「ただのテンプレだ。気にするな。――俺の言葉は、基本的に、中身ゼロだから、環境音の一種ぐらいに思っておけばいい」
そう言うと、シューリが、
ものすごい形相で、
「環境音に謝りなちゃい! あんたのような害虫の発言と一緒くたにされた、可哀そうな環境音に今すぐ謝りなちゃい! この鬼畜! 外道!」
「お前が、俺に謝れ。一生をかけて償え」
などと、くだらない話をしていると、そこで、カティが、
「いいかげん、話してくれない? あんた、なんで、そんな、過剰な力を持ってんの? 一晩で、盗賊を壊滅させたり……中央カジノを襲っておきながら、逆に勲章をもらったり……あんた、ほんと、なんなの?」
その問いかけに対し、
センは、
「センエース、探偵さ」
堂々と、キメ顔でそう言った。
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