センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

13話 神の後光を巧みに利用した勧誘。


 13話 神の後光を巧みに利用した勧誘。

「――神化――」

 センが、そう唱えた直後、
 マリスの視界が、暖かい光に包まれた。


「っっっっっっ???!!!」


 おそろしく深い輝き。
 マリスの想像をはるかに超えた領域にある暖かさ。


「……ぁ……あ……」


「――『人の醜さ』は、生まれた時から知っていた。親が二人ともゴミだったからな。その下積みの上に、40億年以上の『永き』を積んできた。『命の答え』は、いまだ見えないが、ハッキリしていることは一つだけある」

 そう言いながら、
 センは、マリスの目をジっと見つめて、

「お前は美しいよ、マリス」

「……っ」

「これまで、よく頑張ってきたな。己の信念を貫くために、お前が成してきたことに対し、俺は、心の底から敬意を表する」

 そこで、センは、マリスに向かって、手を差し出して、

「俺と共にこい。そうすれば、お前が『望む先』を魅せてやる」

「私が望む……先……」

「もう二度と迷わなくていい。お前の道標は、ここにいる」

「……」

 なぜかは分からないが、
 マリスは、涙を流した。
 理解できない衝動。

 何に震えているのか理解できない。
 ただ、心がプルプルと痙攣していることだけは理解できた。
 息ができないほど苦しくて、
 けれど、辛くはなかった。

「あなたは……いったい……」

「俺は、舞い散る閃光センエース。……お前のヒーローだよ」

 それは、まばゆいばかりに輝いていた。
 どんな暗闇の中でも見失うことはないだろうと思った。

 だから、
 マリスは、気付けば、臣下のポーズをとっていた。
 魂が、センに対して、最大級の敬意を表していたんだ。



 ★



(よし……出来のいい配下、ゲット。神化が使えると、こういうところで便利だな。頭がいいやつ相手だと、無駄に言葉を並べなくとも、一発で勝手に誤解してもらえる。あとはマリスをリーダーにした秘密結社を結成するだけ。それで、条件達成だ。あとは、金と童貞と勲章……童貞は、まあ、うん、いつでもアレだから……その気になれば、一瞬でアレだから……うん。だから、むしろ、あとでいい)

 心の中で、ぶつぶつと、ダサいことをつぶやくセン。
 先ほど、マリスに魅せた神々しい姿とは全く違う、みっともないザマ。

(まずは、金と勲章をもらうことにしよう。そのために、カジノには犠牲になってもらおう。犠牲の犠牲にな)

 『ゲスい顔』でほくそ笑み、
 センは、作戦を実行にうつす。

「マリス。とりあえず、お前の『金庫を破る作戦』は完璧だ。それはそのままでいい。問題なのは、どこか一つでもミスったら、メンバーの誰かが死んでしまうこと」

 裏金庫は、各国の為政者の隠し財産が集約されているため、警備が、おそろしく厳重。
 配備されているのは、大帝国が誇る『最高峰の冒険者チーム』である『覇剣』。
 その覇剣を、『大帝国の上位貴族だけで構成された保安チーム』が指揮するという盤石の体制。

 ファントムスターズに所属しているメンバーは、全員、『非常に高い存在値』を誇っているが、裏金庫の警備チームと、真正面からかち合えば、さすがに分が悪い。


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