センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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52話 オメガバスティオンの真髄を教えよう。


 52話 オメガバスティオンの真髄を教えよう。

「さすがに、3歳で白髪は精神的にキツすぎる……」

 などと、どうでもいいことを口にしつつ、

「さて……どうするかな……普通に修行したところで、アダムには勝てねぇ……オメガバスティオンはすげぇチート技なんだが、格上相手に防御を固めたところで、ジリ貧になるだけ」

 などと、そう思っていると、


『オメガバスティオンでランク500以上の魔法を無効化する――条件達成。【オメガルーム】が解放された』


 などという声が脳内に響いた。

「……お、マジか……拡張されたのは久々だな」

 ナイトメアソウルゲートは、使用者が『特定の条件』を達成すると『設備が拡張されていく』という特徴を持つ。
 最初の1億年の時は、ポンポン拡張されていたが、
 以降の数億年では、ほぼ拡張されることはなかった。

 センは、さっそく、今回、解放されたオメガルームへと足を運んだ。
 施設の入り口には、基本的に、説明書が配置されている。
 センは、時間をかけて熟読していく。

「オメガバスティオンの応用技を磨く部屋。指南役のNPCが厳しすぎて死ぬ確率が高いのが難点……ふむ……」

 『指南役のNPC』が常駐(じょうちゅう)している訓練施設は珍しくない。
 ここの施設に精通しているセンは、オメガルームの特性も、一瞬で理解していく。

 理解すると同時、センは、すぐさま、施設の利用を開始する。

「……私が指南役のオメガである。さっそく、貴様に、オメガバスティオンの真髄を教えよう」

 そう言うとオメガは、
 豪速で空間を駆け抜けて。
 握りしめた拳を、

「ぶへぇえええええっっ!!」

 センの顔面へと叩き込んだ。
 顔の骨が砕けて、歯が飛び散った。





 ★





 ――アダムは、優れた戦闘力を有する化け物である。
 全てにおいて高いスペックを誇る天才型。
 だから、現場の変化にも、すぐに気づいた。

「……空気が変わった……」

 自分が放った光球が、完璧に処理されていく。
 それだけではなく、

「……ついさっきは白髪になったのに、今度は黒髪に戻ったな。……髪だけではなく、オーラの質も変化している……なるほど……ソウルゲートを使ったのか」

 自身も使った経験があるし、
 センから話を聞いてもいるので、
 現状を理解するのは早かった。

「それで? 多少は強くなれたか?」

 プロパティアイでみれば一発だが、
 あえて、質問を投げかけていくアダム。
 根本的な底意地の悪さがうかがえた。

 センは、

「……1億年も積んだんだ……多少は強くなるさ……」

 ギラつく目で、アダムを睨み、

「それも、ただの1億年じゃねぇ。ずぅぅぅぅぅっと、殺されかけ続けるという、えげつない1億年だった……何が、『オメガバスティオンの真髄を教える』だ……あの野郎、ひたすら、俺を殺そうとしただけだったじゃねぇか……俺、あいつから、何一つ、教わってねぇ……ほんとに、ただ、1億年間、殺されかけただけだ。なんだ、あのいやがらせ……マジでよぉ……」

 ぶつぶつと、オメガルームに対する文句を口にするセン。


「ま、おかげで、『開(ひら)いた』けどな……あれだけの地獄を見れば、どんな無能でも、さすがに開く」


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