センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

51話 俺は永遠に終わらない。


 51話 俺は永遠に終わらない。

「……くく、虚勢も、そこまで大きくはれれば大したものだ」

 最後にそう言って、
 アダムは、大量の光球を、センに向かって突撃させた。
 一発一発が即死級の火力を誇る光の球。

 そのスコールに対し、センは、

「――オメガバスティオン――」

 自分の中に深く没頭し、
 自分の身に降りかかる光球の全てに対して波長を合わせていく。
 おそろしい集中力を必要とするエゲつない神業。

 防御に回していた毘沙門天の剣翼はコナゴナに砕け散った。
 流れ弾で、100体のカースソルジャーは壊滅した。
 リソースの全部をオメガバスティオンに集中するため、エグゾギアを解除した。

 裸一貫、身一つで、アダムの猛攻撃を受け止めるセン。

 最初からずっと、頭クラクラしているが、
 センは、大量の鼻血を垂らしながら、
 完全に『ガン決まった目』で、
 必死に光球を処理していく。

 数秒後、光球のスコールがやんだ時、
 そこには、髪が真っ白になって、一気に老け込んだように見えるセンが立っていた。
 3歳児には見えない、小さな老人と言った感じ。

「まさか、本当に防いでみせるとは……本気で驚かされたな」

 『己の集中力に殺されかけているセン』に、
 アダムは、

「煉獄光球ランク800」

 また、同じ魔法を使って、大量の光球を出現させる。

「センエース、貴様の根性が図抜けているということは、よく理解した。面白いから、最後まで付き合ってやる。さて、私の煉獄光球を何回、防げるかな?」

「……何回? ……バカが……まだ、わかってねぇのか……」

 真っ白に死にかけているセンエースは、
 しかし、それまで以上の気迫と殺気を眼球に込めて、

「お前を救い終えるまで、俺は永遠におわらねぇんだよ」

「貴様の望みどおり、少しだけ恐怖を覚えてやるよ、センエース。貴様の気持ち悪さに対して、背筋がゾワゾワしている。まさに鳥肌もの。貴様は気持ち悪い。臓物をぶちまけたゴキブリにも劣る」

 そう言い捨ててから、
 アダムは、光球を突撃させる。

 センの脳内は、完全に、出来上がっていた。
 一ミリたりとも絶望には染まっておらず、
 ただ、ひたすらに、目の前の光球を消滅させることだけに没頭している。

 ――と、その時、



『時間だ、センエース。今日の分のナイトメアゲートが開くぞ』



 そんな声が、頭の中で響いた。
 その直後、センは、いつもどおり、
 ――ゲートの中へと引きずり込まれる。

 親の顔より見た光景。
 頭が完全におかしくなるほど慣れ親しんだナイトメアソウルゲートに戻ってきたセンは、

「ぷっふぅうう……っっ!! あっぶねぇ……っ!! 今のは、たぶん、さすがに死んでた……」

 ヘナリと、力なく、その場に崩れおちる。

「……めちゃくちゃな強さしやがって……存在値だけじゃなく、戦闘力まで高いのは反則すぎるだろ、クソがぁ……」

 アダムに対する文句が止まらない。
 一通り、一人で、思いを吐露してから、


「……ん……ま、とりあえず、治療ルームだな……」


 もはや、慣れたもので、
 治療ルームのカプセルに入り、
 体を完全回復させるセン。

「ああ、よかった、髪の色、もどった……さすがに、3歳で白髪は精神的にキツすぎる……」

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