センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

37話 くるしゅうない、そろそろ褒めてもいいぞ。


 37話 くるしゅうない、そろそろ褒めてもいいぞ。


 ニーを倒したことで、瞬間移動が可能になった『ヤオヨロズの迷宮』。
 転移の魔法をつかい、一瞬で抜け出すと、
 三人と一匹は、いったん、シューリの御用邸に戻り、

「ていうか、マジで2億年も修行したんでちゅか?」

「ああ、すごいだろ。そろそろ褒めてもいいぞ。くるしゅうない」

「なんで耐えられるんでちゅか? 普通、途中で気が狂いまちぇんか?」

「気も頭も心も魂も、全部が全部、何度も、何度も、狂いそうになった。だが、俺は、『絶対に折れてやるものか』と歯を食いしばって頑張った。どうだ、すごいだろ。そろそろ褒めてもいいぞ」

「きっしょいでちゅねぇ。あんた、絶対に、人間じゃありまちぇんよ。ゴキブリかチン〇スのなりそこないだとしか思えまちぇん」

「どういう意味? ねぇ、どういう意味? マジで理解不能だから、詳しく教えてくれない? お前の『今の発言』を、俺なりに因数分解すると、『ゴキブリかチ〇カスのなりそこないだったら2億年耐えられる』ってことになるんだけど、その解釈であってる?」

「うっさいでちゅねぇ。『ゲボ以下の屁理屈』を、嬉しげに、キーキーとわめかないでくだちゃい。存在と声量が不愉快すぎて、心が壊れそうになるんでちゅよ」

「キライぃ……俺、この女のこと、世界で一番嫌いぃ……」

 つい、頭を抱えて、彼女に対する本音を口にしてしまうセン。
 ここまでは、まだ『嫌いになりそう』という可能性の話に収まっていたが、
 ここで、センは彼女のことを『世界で一番嫌いな女』として正式に認定した。

 ――ぐちゃぐちゃと、言い合いながらも、
 センは、この日一日、シューリ&アダムの美少女二人とノンビリ過ごす。

 いまさら、慌ててどうこうすることも出来ない。
 というわけで、とにかく、全員が『センの休息』を中心にして、モノを考えている。

「ちょっと、こっちにきなちゃい」

 そういいながら、センを背中から抱きしめて、そのまま、ソファーに腰を下ろすシューリ。

「え、なにやってる?」

「オイちゃん、クッションを抱いていないと、ソファーに座っている時に、居心地の悪さを感じてしまう系女子でちゅから」

「だから、俺をクッションにしている、と? ……やめてくれる? ダルいから。休みたいんだよ。ついさっき1億年頑張ったばかりだから、休憩したいんだよ」

「オイちゃんは常に天上天下唯我独尊でちゅから、人の指図を絶対にうけまちぇん。クッションになるのがイヤなら、オイちゃんを殺して脱出しなちゃい」

「……めんどくせぇ女……」

 などと言いつつ、センは、シューリのクッションに徹する。
 理由は一つ。
 後頭部に、シューリの豊かなおっぱいがあたっているからである。
 それ以外の理由などない。

 ちなみに、センが、シューリのクッションをやっている間、
 アダムが勝手に、メイド的な仕事をこなしていた。
 身の回りのことを、彼女が、全部、率先して、完璧にやってくれるので、センは何もする必要がなく、ひたすらに、シューリのクッションに徹することが出来た。

 ただ、途中で、さすがに悪いかなぁ、と思い、

「アダム、いいから、お前も休めよ」

 と、声をかけたのだが、

「この上なく尊き御方、世界を救うヒーローである主上様のお世話係が出来ることは、私にとって、何よりの幸福でございます」

 などと言って、働き続けることを決してやめようとしない。
 とんだワーカーホリックである。

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