センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
34話 了解、御主人。
34話 了解、御主人。
「秒で殺されて終わりだと思う」
「……じゃあ、お前がいても、あんまり意味ないな……」
「だから、言ったじゃないか。微力ながら頑張るって。一応、魔力と耐久力がそれなりに膨大で、回復魔法もそれなりに使えるから、ニーのことは、そうだな……まあ、ポケ〇ンでいうところの、『たべのこし』ぐらいに思ってくれたらいいよ」
「……ポケ〇ンとか知ってんだ?」
ナイトメアソウルゲートの図書館には、漫画や小説や学術書や図鑑だけではなく、攻略本関係も豊富に取り揃えられていた。
なんとなく惹きつけられて熟読したので、
現状のセンは、
ポケ〇ンを一度もやったことがないが、それなりに理解はあるという、
上級エアプ勢のような状態になっている。
「ご主人の所有物として、一応、ニーの意見を言わせてもらうけど、『1兆の敵』とは戦わない方がいいよ。シューリ・スピリット・アース・ソルウィングを殺せば、敵は現れないから、今、この場で始末した方がいい。それが最善で最良」
「否定はしねぇよ。実質、それがもっとも安パイな結論だろうぜ。楽で簡単でヌルいエンディング。けど、だからこそ、俺は、その未来を許容しねぇ」
「……」
「ニー、俺の所有物になったというのなら、俺が望む未来を正確に理解しておけ。俺は、トゥルーエンド以外の結末を決して認めない。『俺が最強のヒーローになる』という、完璧なエンディング以外は全部ゴミ。それを頭に叩き込んでおけ」
「……了解、御主人」
ニーとの話し合いは終了。
ニーは、センの頭部に戻って一休みをする。
頭にスライムを乗せている絵は珍妙だったが、
さいわい、センは三歳児だったので、
珍妙さよりも、愛くるしさが勝っていた。
と、そこで、それまで、黙って見ているだけだったアダムが、
センの近くに寄ってきて、
「主上様、あなた様は、昨日までの段階で、すでに『何者も寄せ付けない、遥かなる高み』にありましたが、しかし、どうやら、今のあなた様は、さらに、俗世を置き去りにした彼方(かなた)へと旅立たれた模様」
「ああ、また1億年修行したからな。下地をつくるだけだった前回の1億年とは違い、収穫の1億年を過ごした結果、どうにか、100倍単位で強くなることができた。今の俺は強いぞぉ」
「1億年を二度も過ごされるとは……あなた様の高みは、私ごときでは、とうてい理解できません」
「……まあ、でも、『1兆の敵』が相手だと、まだまだ話にならないみたいだけどな」
そう言いながら、センは、心の中で、
(……後半の5000万年をすべて費やして、『次』のための下地をつくった。明日の1億年で、それを回収して、どうにか、また100倍強くなれれば……1兆を殺すこともできる……はず……まあ、ここから100倍強くなるのは、だいぶ厳しそうだが……)
正直、現段階だと、1兆に勝てるイメージを、まったく持てない。
だが、センには、諦められない理由がある。
――そこで、センは、チラっと、シューリの顔を見て、
(実際に可能かどうかはどうでもいい……とにかく、出来ることは全部やる……)
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