センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

+-87950話 ヒーロー見参。

 +-87950話 ヒーロー見参。

「――お願いだから……助けて……セン……」

 センエースに『救い』を求め続けたソル。
 そんなソルの脳内に、

 ――声が響いた。





 ――ヒーロー見参――





「っっ!」

 その声が脳に響いたと同時、
 ソルは、バっと勢いよく顔をあげて、

「き、聞こえた……聞こえたぞぉおお! 間違いなくぅううう……っ!!」

 そこで、ソルは、
 『コスモゾーンの最深部』に強制アクセスして、
 センエースのログをたどろうとする。
 回線が死ぬほど重たくて心底イライラしたが、『希望』があるので我慢できた。

 どうにか接続できたと同時、必死になってセンのログを調査すると、ほんのわずかに改竄のあとが見られた。
 表面をさらっただけでは決して届かない隠蔽。
 だが、石にかじりつく勢いで『希望』にすがりつくソルの目はごまかせない。

 センの痕跡を見つけたソルは、

「信じてたぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっ!!」

 歓喜の声をあげて、
 センのログを追跡する。
 そして、『質量を持ったフラグメント』を発見。

 確かに、『シルエット』はヌルに奪われていて、
 『ボロボロの思念体』になっているが、
 シッカリと、『コアオーラの一部』は残っていた。

「そうだ! お前なら、必ず、逆転の目を残せると信じていた! ヌルごときに完全敗北などありえない!」

 切り離されたセンエースの一部は、
 何もない無を漂っていた。






「――う……ぷはぁあああああ……っっ!」






 現状、思念だけとなった『センエース』は、
 どうにか、無意識をツギハギして、


「――こ、こんなクソみたいな終わりを認めてたまるか……俺は絶対にあきらめねぇ……」


 歯をむき出しにして、そう言い捨ててから、
 センは、ソルの方に視線を向けて、

「……ソル、助かった。お前の『必死に救いを求める嘆き』が『道標』になった。…………俺はヒーローじゃないが、ヒーローを求めて頑張ってきてよかった。……おかげで、『ここ』を見つけることができた」



「ぁ、ああああああ! よ、よかった! 本当によかったぁああああ!」

 心からの歓喜を口にしてから、

「と、ところで、セン、お前は、現状をどこまで把握している?」

「最低限だけしか把握できていない」

「自分がヌルにボコられた記憶はあるか?」

「ああ。原初の世界に帰る途中で、おもいっきり、不意をつかれて、バラバラにされた」

 あらがう間など、与えてくれなかった。
 迅速かつピンポイントに、
 それも、禁止魔カードマシマシの地獄モードで、
 センは、ヌルに砕かれた。

 より正確に言うのであれば、
 『ソルの権限を計算なしに乱舞するヌル』に砕かれた。

「……ソル。聞きたいんだが、ゼノリカはどうなった?」

「すでに、奪われてしまっている。コアオーラの一部だけは、どうにか回収できたんだが……」

「コアオーラの一部以外は奪われてんのか。とことんナメ腐りやがって……」

 深い怒りを、自分の奥へと押し込めてから、

「……あのクソ野郎、たしか『ヌル』だったか? あいつ、エグいな。どっからどう見ても『からっぽ』にしか見えなかったが、その純度の高い『からっぽ』を武器にして串刺しにしてきやがった」


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