センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

64話 ゾメガ・オルゴレアム。


 64話 ゾメガ・オルゴレアム。

(……これは……すごいな……この10000年間の中で、強大なモンスターは、飽きるほど見てきたが……こいつは……別格だ……)

 出現した『魔』の濃度は異次元レベル。

 『魔力』という点だけで評価すれば、
 この『魔』はセンを大幅に超えていた。

 センは、そんな『魔』に対し、

「俺はセンエース。強大な者よ、あんたの名前を聞いてもいいか?」

 そう問いかけると、
 その『魔』は、ゆらりとセンを見つめて、

「……ゾメガ・オルゴレアム」

 と、地の底から響くような声で、そう言った。

 ――そんな『強大な魔』の登場に対し、
 何も本質理解が出来ていないパラミは、

「ゾメガか! なかなか強大なモンスターだな。貴様であれば、センエースを殺すことも可能であろう! さあ、ゾメガよ! センエースを殺せ!」

 願い玉を使って召喚した『対センエース用の化け物』なのだから、
 当然、自分の味方である、と短絡的な考え方をするパラミ。
 実際のところ、パラミは、ゾメガの召喚権をもっていた。
 召喚獣と召喚主は、特殊なリンクが出来るのだが、
 パラミは、ゾメガに対して、ソレをハッキリと感じていた。

 だから、こんなにも不遜な態度を取れているのである。
 不遜というか、いつもどおりの、召喚獣に対する態度。

 そんなパラミに、スっと、冷たい目を向けた魔は、

「……そこの虫ケラ、今の言葉は、まさか、余に言ったのか?」

 その圧力に、パラミは、少しだけ動揺したようだが、
 王子の矜持をもって、

「知性が足りないのか?! 名前を呼んで命令したであろう! 貴様は、我が願いによって召喚された! だから、私の命令を聞く義務がある! なぁに、簡単なことだ! そこにいるナイト『センエース』を殺せば、それで終わりだ! やり方は自由でいい! そして、センエースの殺害以外は何も命じない! 楽なものだろう!」

 などと、不遜に言い放ったパラミ。
 そんな彼の態度を受けて、ゾメガは、

「く……はは……はははっ……」

 邪悪な笑みを浮かべて、

「全世界最強の大魔王である、このゾメガ・オルゴレアムに、脆弱な人間ごときが命令をくだすとは……笑えるじゃないか。くく……ははは」

「なにをノンキに笑っている、マヌケめ! さっさとセンエースを殺せ!」

「マヌケか……くく……はたして、どっちがマヌケかな?」

「召喚獣と議論をかわすきなどない! ペラペラおしゃべりしていないで、センエースを殺せ! それとも私の言葉が、理解ができないのか! このバカ召喚獣が! 雷罰ランク20!!」

 そう言いながら、パラミは『召喚したモンスターにオシオキをする魔法』を放った。
 全身が一瞬痺れる魔法。
 自身が召喚したモンスターにしか使えない魔法だが、
 今のゾメガは、事実、パラミが召喚したという扱いになっているので、
 その魔法も普通に通った。

「ほう……召喚されたことなどなかったから知らなかったが……なるほど、使役している魔物が受ける罰系の魔法は、こんな感じなのか……衝撃と痛みだけではなく、頭の中に、命令に対して従順になるよう、本能に訴えかける直接的な指令が刻まれる……精神力が一定以下の者であれば、容易にコントロールされてしまうであろう」


「センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く