センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
54話 ネオ・ヘルズ覇鬼。
54話 ネオ・ヘルズ覇鬼。
「てめぇら王族は、コアオーラが異質だから、奪い取るのがダルいし、奪い取っても、それをうつす器がねぇ。というわけで、交渉だ。――ノコの奴隷になると誓え。そうすれば、命だけは助けてやる。この提案を拒絶するなら、最初に言った通り、殲滅する」
そんな、センの不遜な言葉に、
パラミ第二王子は、こめかみに、無数の怒りマークをつけて、
「どこまでもナメたことを……」
そこで、パラミは、さらに膨大なオーラを両手と両足に込めて、
「たかがナイトが、つけあがりやがってぇえええ!」
ドンッ!
と、地面を蹴り上げて、
ミサイルのように特攻するパラミ。
重さと速度が乗った渾身の拳。
その強烈な一撃を、
センは、
「……うん、悪くない。鍛錬のあとがうかがえる。才能にあぐらをかくことなく、それなりの努力を積んできた拳だ」
顔面で受け止めた。
思いっきり殴られたにも拘わらず、センは、微動だにせず、
「ただ、前衛特化のバッパーと比べると、殴り合いの精度は、明らかに劣るな」
そう言いつつ、サラっと、パラミの足を払うセン。
「うぉっ」
その場に転倒するパラミ、
追撃を警戒して防御するが、
センは、その様子を鼻で笑い、
「俺も、バッパーやバルディと同じで、基本的には、前衛特化スタイルなんだが、今日は、あえて、お前の領域で闘ってやるよ。グリドの歴史上、もっともすぐれた召喚士と言われたお前と、召喚能力でタイマン対決してやる」
そう言いながら、
センはゆっくりとした歩みで距離を取る。
パラミから10メートルほど離れたところで、
「――『ネオ・ヘルズ覇鬼』、召喚」
センは、超王級の鬼種モンスターを召喚した。
鬼種のモンスターは、バイタリティが高いタイプが多いが、
ネオ・ヘルズ覇鬼は、その中でも、群を抜いて生命力が高い。
それを見て、パラミは、目を丸くする。
「……超王級?! そ、そんな、すさまじいモンスターを……戦士職で召喚するなど……そんなこと、できるはずがない!」
「そうだな。ふつうはそうだ。けど、『お前の前にいる俺』は驚くほど普通じゃないんでね」
そう言ってから、
センは、ネオ・ヘルズ覇鬼に、
「好きに暴れろ。何をしてもいい。ただし全力を出せ」
命令を受けると、ネオ・ヘルズ覇鬼は、忠誠心マックスの態度で、腹の底に響くようなおたけびをあげ、パラミに向かって突撃した。
「ぐっ!! ヘルズ覇鬼、召喚!!」
ヘルズ覇鬼は、王級のモンスター。
とてつもなく高性能なモンスターで、
パラミぐらいの実力者でなければ召喚できない超強力な召喚獣。
だが、完全上位互換である『ネオ・ヘルズ覇鬼』には、もちろん、敵わない。
「グゥウッ! ギャアアアッ!!」
ヘルズ覇鬼も頑張って応戦しているが、
完全にジリ貧の状態で、手際よくHPを削られていく。
「くそぉお! アクアゴブリンロード、召喚」
続けて、王級のモンスターを召喚するパラミ。
ゴブリンの中でも最高格の力を持つゴブリンロード。
そこらのゴブリンとは比べ物にならない力を持つ。
そんな二体の王級を相手にしていながら、
ネオ・ヘルズ覇鬼は、余裕の表情だった。
超王級の看板は伊達ではない。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
314
-
-
157
-
-
125
-
-
1978
-
-
4112
-
-
4
-
-
549
-
-
841
-
-
267
コメント