センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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53話 クズには容赦がないセンエース。


 53話 クズには容赦がないセンエース。

「ご苦労、トワネ。お前が『命の最前線に立つことで開いた才能』は、すべてココが引き継ぐ。お前自身は、もういらない」

「さ……最初から……そのつもりで……」

「ああ、もちろん。俺はクズが嫌いなんだ。『代わり』が存在しないなら、我慢して雇用することも考えるが、お前の場合は、ちょうどいいスペアがいるからな。カスなお前ではなく、まともなココを使う。当たり前の話だろ」

「……命令にしたがえば……生かしてくれるって……言っていたじゃない……」

「希望をチラつかせておかないと、絶望に抗おうとはしないだろ。お前はカスだが、才能だけは目を見張るものがあった。ただ、開いていないのが問題だったんだ。お前の才能を最初からココに渡していたら、その才能を開花させるために、ココが苦しむ羽目になった。すでに、さんざん苦しんできたココに、その役目をあたえるのもどうかなぁと思ったから、しんどい仕事は、お前に任せた。ほんと、ごくろうさん。頑張ったのは認めてやる。けど、才能が開いてしまった以上、お前自身はもういらない」

「……くそ……ったれ……死ね……」

「俺もいずれ死ぬさ。けど、まだ死ねない。まだ、『ノコ』を守るための基盤は出来上がっていないから。すべてを完璧に仕上げてから、俺は、俺の『永すぎた人生』に終止符を打つ」

 センがそう言っている間に、

「……っ――」

 トワネは完全に息絶えた。

 センは、トワネの体を、雑に、その辺に放り投げてから、
 彼女から奪い取ったコアオーラを、

「ココ、これは、あのバカ女の『力の核』だ。これからは、お前がコレを使え。あのバカ女の力なんか使いたくないだろうが……そんなワガママを聞いてやる余裕が俺にはない。この力を使い、ブロールの配下として、ノコにつくせ」

 そう言いながら、強制的に、
 トワネのコアオーラを、ココへと移していく。

 これは、『才能強奪の秘術』という、反魂やタイムリープの秘術に匹敵する禁術。

 使用するための条件がいくつかあって、かなりメンドくさいため頻繁には使えないし、すべての能力を奪えるというわけでもない、使い勝手が微妙な秘術。


「……これが……あのクソ女の力……はは……いい気味……」


 強制的に才能を移植されたココは、自分の両手をまじまじと見ながら、

「……セン様。助けていただいただけではなく、復讐の肩代わりをしていただき、その上、力まで与えていただけたこと……このご恩は、絶対に、一生、忘れません」

「恩を忘れるかどうかはどうでもいい。役にたてるかどうか。問題はそこだけだ」

「もちろん、お役に立てさせていただきます。なんなりとご命令を」

「じゃあ、下がってろ。ここからは俺がやる」

「かしこまりました」

 そこで、センは、肩をまわしながら前に出る。
 センは、パラミ王子を睨みながら、

「てめぇら王族は、コアオーラが異質だから、奪い取るのがダルいし、奪い取っても、それをうつす器がねぇ。というわけで、交渉だ。――ノコの奴隷になると誓え。そうすれば、命だけは助けてやる。この提案を拒絶するなら、最初に言った通り、殲滅する」


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