センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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43話 魔法の扱い方。


 43話 魔法の扱い方。

「絶っっっ対に許さなぁあああああい! 私を殴ったその罪は、万死に値するぅう! 死ねぇええ! 氷獣牙(ひょうじゅうが)ランク12!!」

 氷獣牙は、氷の牙を召喚して、敵を氷漬けにしながら噛み砕くという凶悪な魔法。
 防御に特化したナイトであろうと楽に殺せる、殺意マックスの魔法。
 それは間違いなく事実なのだが、

「お前、マナコントロールが下手すぎる」

 センには一切通じていない。
 氷漬けにすることなんて、もちろんできないし、
 それどころか、かすり傷の一つもあたえていない。

 神代の力を持つセンからすれば、トワネの魔法など、そよ風と変わらない。

「魔法ってのは、こう扱うんだよ。――氷獣牙ランク12」

 センが、その気になれば氷獣牙をランク25で使うことも可能だが、
 トワネに分からせるため、あえて、同ランクの12で氷獣牙の魔法を使った。

 『優れた循環率』でマナが巡っているセンの氷獣牙は、
 先ほどのトワネのソレとはまったく質が違っていた。

 『生まれたての子猫のキバ』と『成熟したサーベルタイガーのキバ』ぐらいの違い。

 センの氷獣牙が、トワネの体をかみ砕こうとした、
 その時、



「炎双璧(えんそうへき)ランク18!!」



 トワネの体を守るようにして、
 二つの炎の壁が出現した。

 センの氷獣牙は、炎の壁に吸い込まれるようにして消えていく。

「バッパー殿下!」

 トワネを救いに現れたバッパーの姿を見て、
 トワネは目を輝かせた。

 待っていたヒーローの登場を受けて、
 トワネは、センに、

「覚悟しなさい!! あなたは、バッパー殿下の所有物である『この私の体』に傷をつけた! その報いは、必ず受けさせる! 簡単に死ねると思うな! ジワジワと、なぶり殺しにしてやるからぁああ!」

 その叫びを受けて、バッパーは、

「私のトワネを傷つけるとは……貴様、覚悟はできているんだろうな?」

 怒りをあらわにしてくる彼をシカトして、
 センは、先ほどまで、トワネに足蹴にされていたココに向けて、

「起きれるか?」

 そう声をかけると、
 ココは、

「は……はい……」

 力のない返事をしつつも、
 ココは、必死になって立ち上がろうとする。
 ずっと四足歩行を命じられていたので、
 両足で立つバランス感覚がにぶっており、
 かるくフラっとした。

 センは、そんな彼女の体を支えて、

「お前の心に刻まれた不幸と絶望は、おそらく永遠に消えない。けど、今日から前を向くことはできる。今から、あそこにいる『生きる価値のないバカ二匹』をぶっ飛ばすから、ソレをその目にやきつけて、『明日以降を生きていく糧』の一つにしろ」

 そう命じてから、
 センは、バッパーたちの方に向かって歩く。

 強い怒りの表情を見せているセンに対し、
 バッパーは、

「……貴様、まさか、私にまで手を上げる気か?」

「俺は、別に、『女しか殴らない』ってわけじゃねぇよ。相手が、王だろうと、龍だろうと、気に入らなければ、全力でブッ飛ばす」

「……バカが」

 そこで、バッパーは、全身に力を込めた。
 高純度のオーラと魔力が、バッパーのすべてを輝かせる。


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