センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
40話 ノコ・ドローグの剣となれ。
40話 ノコ・ドローグの剣となれ。
「お前を弟子にするための条件は、もう一つある。俺の命令には絶対服従。誓えるか?」
「師の命令は絶対。当たり前の話です」
「いいだろう。ならば、今日からお前は俺の弟子だ」
「……ありがたき、幸せ」
「さっそくだが、最初の命令だ。ノコ・ドローグの剣となれ。これより先、ノコを害そうとするすべての敵を、永遠に、排除し続けろ。聞けないのであれば、お前を弟子にはしない」
「……ノコ・ドローグ……様の剣になること……それが、弟子にしていただくための条件だというのであれば、もちろん、黙って従いますが……そのお役目は、あなた様の仕事では? 先ほど、ご自身が、そうおっしゃっていたと記憶しておりますが?」
ブロールの問いかけに対し、
センは、『ほんの数秒の沈黙』という間をとってから、
「……剣は何本あってもいいだろ? 俺が動けない時は、お前が剣となれ」
「あなた様一本で、なんの問題もないと思われますが……しかし、それがご命令とあれば、黙ってしたがうのみ」
そこで、ブロールは、より深く頭をさげる。
「かしこまりました。これより私は、あなた様の弟子であり、ノコ・ドローグ様の剣」
ブロールがそう返事をしたところで、
ついに、我慢が出来なくなったのか、
それまで黙って現場を見守っていたアブライが、
「ブロールぅうう! 貴様、どういうつもりだぁ! 私を裏切るのかぁああ!」
怒りに満ちた顔でそう叫ぶと、
ブロールは、
「……アブライ、貴様のことは利用していただけだ。もともと、いずれ、殺してやろうと思っていた。貴様は性根が腐っている。生きている価値はない」
「ぶ、ぶろぉおるぅ……貴様ぁあああっ!」
完全にブチギレたアブライは、
「全員でかかれぇええええ! 裏切り者のバカ野郎を八つ裂きにしろぉおおお!」
そう命じながら、自身も、オーラと魔力を練り上げていく。
配下の面々も強いのだが、アブライ・ファミリーで『最も強い力』を持つのは、やはり、アブライ自身である。
存在値350という、貴族級の力を持つ超人。
その力がなければ、強者たちを従えることなどできない。
アブライは、配下からのサポートを受けながら、
前衛として、ブロールを殴り殺そうと襲いかかった。
その苛烈な一手を、ブロールは、
「――アブライ、お前も決して弱くはないのだが、『師』の高みを見た後だと……ゴミクズにしか思えないな」
そう言いながら、
鮮やかにカウンターをぶちこむ。
美しく決まった顔面への一発。
アブライの脳は揺れて、あっさりと気絶してしまった。
ボスが一撃で沈んだのを見た配下の面々は、当然困惑して、次の一手に悩む。
そんな彼らに、ブロールは、
「私とやりあうか? 私はかまわないが、この中に、私と戦える者がいたか?」
そう声をかけた。
すると、どうするべきか悩んでいた配下の面々が、
諦めたように、武器を捨てて降参のポーズをとった。
そんな、アブライの構成員たちに対し、
――グリド王国の侯爵令嬢『トワネ』は、
虫ケラを見るような視線を送り、
「簡単に降参するんじゃないわよ。使えない連中ね」
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