センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

31話 本当に、出会えてよかった。


 31話 本当に、出会えてよかった。

 一撃で沈められたレンド。
 それを見下ろしながら、
 ノコは、ヒキーレに、

「悪いけれど、このバカを拘束して、どこかに閉じ込めておいてくれない?」

「生かしておくんですか?」

「……コレをどうするかは、センに任せようと思うわ」

 それを聞いたヒキーレは、
 言われた通り、レンドを魔法で拘束しながら、

「……ノコ様、もうしわけありません」

 ふいに、ボソっと、そう謝った。

「なにが?」

「私もレンドと変わりありません。あなたについて何も知らなかった。『特殊な才能で疫病を治していた』ということ以外はほとんど知らず……あなたが、国や民のために、『疫病が流行る前』から頑張っていたことは知りませんでした。本当に申し訳ありません」

「知ってほしいと思っていなかったから別にいいわ。喝采や賛美が欲しくてやっていたわけじゃない。あたしは、ただ、気分の悪いことが嫌いなだけ。そこに関しては、誰だってそうでしょ?」

「……まあ、そうですね。気分が悪いことは……私も嫌いです」

「気分のわるいことを全部排除した『みんなが幸せに生きていけるだけの世界』……みたいなことを、子供のころはずっと夢見ていたわ。けど、大人になるにつれて、それは無理だってことが分かってきた。だって、この世界はバカとクズばっかりなんですもの」

 ノコは、そう言ってから、天を仰いで、

「バカなだけなら、まだ我慢できたけれど、本当にクズが多すぎるのよ。どいつも、こいつも、自分より弱いものをイジメて搾取するだけのクズばかり。……『まともな人』も、もちろん、何人かいるわ。あなたたちもその中の一人。けど、洗脳されたり、家族を人質にとられたりして、クズに飲み込まれてしまった。それがこの世界の現状。どうしようもなく腐った、社会の現実」

 そこで、ノコは、
 センのことを想い出しながら、

「そんな世界で、たった一人……この『不条理だらけの地獄みたいな世界』と、本気で向き合っている男がいた。才能も家柄も、何もないくせに、狂的な努力と根性だけで、ついには世界最強の存在にまでなってしまった、あたしのヒーロー」

 センのことを考えている時だけは、
 いつもよりも数段優しい顔になるノコ。

「センが『独りで頑張っていた10000年間のこと』は知らないけれど、出会ってから数年のことは全部知っているわ。ずっと一緒にいたからね。……頭おかしいんじゃないかって心配になるくらい、ほんとうに、センは頑張っていた」

 『ノコに病気を治してもらったセン』は、
 『その恩を返したい』とノコのナイトになった。

 それまでもセンは、
 『この世界から理不尽をなくそう』と、
 必死に自分を磨いていたが、
 ノコのナイトになってからというもの、
 その努力量は度を越していった。


『……【みんなが幸せに生きていけるだけの世界】……俺も、ずっと、その世界が欲しいと思っていました。ノコ様、あなたが夢見る世界を実現するために、俺は死ぬまで【あなたを守る剣】で在り続けると誓います』


「……まさか、『同じ夢を見ながら、隣を歩いてくれる人』がいるなんて、思ってもみなかった。センがいてくれたおかげで、あたしは独りじゃなかった。センがいてくれたから、あたしは、ずっと、救われていた。出会えてよかったと、心から思った」

 この不条理だらけの世界で、
 ノコが折れずにまっすぐ生きていられたのは、
 いつもセンが隣にいてくれたから。

 だから、ノコはセンを愛している。
 ずっと、ずっと、一緒にいたいと心から思っている。


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コメント

  • 閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

    ものすごく嬉しい御言葉、本当に感謝です!エイプリルフールのウソは現実にならない、というジンクスを現実に変えて、半永久的にエタらない作品を追い求め続けます!正直、いろいろと、かなり苦しかったりもするのですが、しかし、それでも……叫び続ける勇気を……最後の最後まで、諦めない覚悟を、読者様に魅せ続けようと……そんなことを想っております(*´▽`*)

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  • 『天』

    物語で良くある(と個人的には思っている)作品のキャラ同士の戦いで矛盾が発生した場合
    ────────────
    例,絶対ダメージ無効と絶対即死ダメージとか
    ────────────
    にどちらが勝つかを決めるのは作者のキャラをどう思っているかやそれを『真』にするための行動だと思っています。エイプリルフールのエタりが嘘であり続けるために、センエースが最も強き者であり続けるために、百万部様の活動を、生き方を応援しています。

    リラ・リラ・ゼノリカ

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